2025.01.31
SNS運用
XのAPIと閲覧制限|背景や解決策など企業が知るべき最新情報を紹介
X(Twitter)の普及に伴い、XのAPI利用に関するルールが2023年以降大きく変更され、閲覧制限やアクセス制限が導入されました。これらの変更は、SNS運用にとって課題となっています。
本記事では、APIの基本的な仕組みや、XのAPIにおける現在の制限と変更された背景、さらに制限を解除する方法について詳しく解説します。
目次
X(Twitter)のAPIとは?
XのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)とは、外部のアプリケーションやサービスがXの機能にアクセスし、データの取得や操作を行うための仕組みです。具体的には、投稿の取得やユーザー情報の分析、リアルタイムのトレンドデータの取得などが行えます。
多くの企業や開発者が、マーケティングや顧客対応、自動化ツールの開発にAPIを利用してきました。しかし、近年の仕様変更や制限により、APIの利用環境が大きく変わりつつあります。
特に、閲覧制限やアクセス制限が導入されたことで、従来の方法では十分に活用できないケースが増加してきました。以下で、Xの閲覧制限の最新情報について詳しく解説します。
X(Twitter)のAPI・閲覧制限の最新情報
Xは2023年以降、APIの利用に関する新しい制限を導入しました。APIのリクエスト回数の制限や、無料プランで利用可能な機能の縮小が含まれています。
2023年7月、日本ではフォロー数やDMが制限されたことが話題になりました。しかし、2025年1月時点ではその制限が緩和されています。現在、一般ユーザーがXを利用する際にはほとんど問題はありません。ただし、未ログイン状態ではポストの閲覧が制限されます。
また、2023年2月にはそれまで無料で公開されていたAPIの有料化が発表され、以下の変化が発生しました。開発者やビジネスでAPIを利用している企業にとって、有料プランへの加入が必要となるケースが出てきました。
- APIの利用制限:本格的な開発には有料プランの加入が必須
- コストの増加:Freeプラン以外にはBasic・Pro・Enterpriseの3プランがあり、プランによって料金や利用できる機能が異なる
- 開発環境の変化:開発者はアプリケーションの修正が必要になる
- コミュニティの変化:コミュニティの活性化が阻害される可能性
これらのAPIや閲覧制限は、システムの安定性向上を目的として変更されたものですが、利用者にとって新たな課題を生み出しています。企業や開発者が制限に対応するためには、最新の情報を正確に把握し、適切な対策を講じることが必要です。
参照元
X Developer Platform – Introduction
X Developers 公式アカウント @XDevelopers
X(Twitter)が閲覧制限を導入した背景
ここからは、Xが閲覧制限を導入した背景や理由についてご紹介します。
システムの負担軽減
Xの閲覧制限の背景には、システムの負担軽減が挙げられます。X社を買収・運営するイーロン・マスク氏は、「システム操作とデータスクレイピングに対応するため」に閲覧制限を設けたと発言しています。
膨大なデータリクエストやアクセスが増加する中で、システムの安定性を維持することは、Xにとって重要な課題です。APIや閲覧の制限を設けることで、リソースの過剰使用を防ぎ、サービス全体のパフォーマンスを向上させる狙いがあります。
悪質な不正操作の防止
不正な操作やスパム行為からプラットフォームを保護することも、閲覧制限導入の理由です。また、悪質な不正操作を行うユーザーの多くが無償APIを利用していたため、従来は無償で利用できたAPIを有料化する措置が取られました。
これまでAPIを悪用して大量のアカウントを操作したり、スパム投稿を拡散させたりするケースが問題視されてきました。こうした行為が増加すると、ユーザー体験に悪影響を及ぼす可能性があり、制限を設けることで不正操作を未然に防ぐ取り組みが進められています。
特定のデータを抽出する「スクレイピング」防止
スクレイピングとは、Webサイトから特定の情報を自動的に抽出・収集する技術です。悪用されるケースがあるため、Xはユーザーデータや投稿内容が無断で収集されることを防ぐため、閲覧やAPI利用の制限を強化しました。
制限によってプラットフォームのセキュリティとユーザープライバシーの保護が向上した一方で、合法的にデータを利用していた企業や開発者には、新たな課題が生じているという側面もあります。
X(Twitter)の制限を解除する方法
Xの制限を超えてしまった場合には、どのように対応すれば良いのでしょうか。制限を解除する方法や、制限を超えないための対処法を解説します。
上位プランにアップデートする
API制限を緩和する最も簡単な方法は、Xが提供する有料プランへのアップグレードです。有料プランでは、より多くのAPIリクエストが許可され、高度な機能へのアクセスが可能になります。特に、ビジネス利用を目的とする場合は、無料プランでは対応できないニーズを満たせるため効果的です。
有料プランは一般ユーザーが利用する「X Premium(X Blue)」とビジネスや開発者向けの「X(Twitter)API」があります。混同されやすいため、以下の違いをしっかりと理解し、用途に応じて使い分けましょう。
- X Premium(X Blue):青いバッジの取得や140字以上の長文のポスト、投稿済みのツイートの編集機能など、一般ユーザー向けの機能拡張サービス。月額制
- X(Twitter)API:Xのデータを活用して独自のアプリケーションを開発できる機能など、ビジネス・開発者向けの拡張サービス。プランによって料金が異なる
参考:X 有料プラン
解除されるまで待つ
一部の制限は、時間経過によって自動的に解除される場合があります。そのため、制限が解除されるのを待つのも一つの手段です。
たとえば、短期間に多くのアクションを行って制限がかかった場合は、一定時間待つことで再び利用可能になるケースがあります。特にアカウントのフォローやDMなど、1日の制限が設けられている項目に対しては、1日置いてから試してみると解除される可能性が高いです。
また、2,400件までのツイートは30分毎の制限があります。制限を超えた場合は数時間後に再度実施してみましょう。
操作を複数回に分割する
APIのリクエストやアクションを複数回に分割し、短期間に大量の操作を行わないようにすることも有効です。
特に無料プランで利用している場合に有効で、制限を回避しながら効率的に操作を進められます。
X(Twitter)の制限の種類と解除方法
Xの制限には様々な種類があります。各制限の詳細と解除方法について解説します。
アクション制限
Xのアクション制限は、短期間で大量の操作(フォロー、いいね、リツイートなど)を行った場合に適用されます。不正操作やスパム行為を防ぐのが目的です。
現時点(2025年1月)でのアクション制限に関する詳細は以下の通りです。
- フォロー:1日あたりのフォロー数のリミット400件
- ポスト:2,400件まで/1日
- 登録メールアドレスの変更:4回まで/1時間
アクション制限はアカウント毎に計算されるため、デバイスを変えても制限がかかります。また、アクセスが集中する時間は、上限に達さなくても制限される可能性があることも注意が必要です。
DM制限
DM(ダイレクトメッセージ)の制限は、スパム防止のため、1日に送信可能なメッセージ数を超えた場合に適用されます。未認証アカウントの場合、1日に最大500件のDMを送信できますが、この上限に達すると、日付が変わるまで新たなDMは送信できなくなります。1回のメッセージで複数の情報を伝えるなどの工夫を行いましょう。
また、同一内容のメッセージを複数のアカウントに送信すると、スパムとみなされ、一時的にDMの送信が制限されることがあります。この場合は30分以上待ってから再度送信を試すのがおすすめです。
解除するには、制限が解除されるまで待つか、有料プランにアップグレードする方法があります。
年齢制限
センシティブな内容や規制対象となるコンテンツが含まれる場合、一部のコンテンツは、ユーザーの年齢によって閲覧が制限されます。
年齢制限を解除するには、アカウント設定で正しい生年月日を登録する必要があります。ただし、地域ごとの規制には従う必要があることに注意してください。
スパムを疑われた場合
スパム行為とみなされた場合、アカウントの一部機能が制限されることがあります。その場合、「こちらのアカウントは、一時的に機能が制限されています。」と表示されます。
スパムを疑われる要因は、過剰な数の投稿(ツイート)、フォロー、いいね、リポストなどです。また、ルール違反の内容を含む投稿は3日間の利用制限になる可能性もあります。
解除するにはXからの通知に従い、アカウント認証や行動確認を行う必要があります。メールアドレスや電話番号の認証を求められるケースもあるため、迅速に対応しましょう。
関連記事:「【企業向け】X(Twitter)で凍結が起きる原因は?解除の仕方や未然に防ぐ方法も紹介」
まとめ
本記事では、APIの概要や、XのAPIにおける現在の制限やその背景、制限を解除する方法について解説しました。
XのAPIおよび閲覧制限は、プラットフォームの安定性やセキュリティ向上を目的とした重要な施策です。しかし、この制限によって不便を感じるユーザーや企業も少なくありません。
企業や開発者がこれらの制限に適切に対応することで、Xの機能を最大限に活用し、ビジネスやマーケティング活動で成果を向上させることができます。また、最新情報を常に把握し、柔軟に対応することで、Xの可能性をより効果的に引き出しましょう。
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