公開日:2026.10.23
SNSマーケティング
【2026年最新】縦型動画広告の市場規模が急拡大|成長要因と企業の活用判断を解説

縦型動画広告は、SNSや動画配信サイトを中心に、動画広告の主要なフォーマットとして定着しつつあります。横型動画広告や静止画広告を運用している企業では、縦型を取り入れるかどうかが検討の対象です。
ただし、市場が伸びているという情報だけでは、一時的な流行なのか、広告予算の配分を見直す根拠になるのかを判断するのは簡単ではありません。社内で検討を進める際には、上司や関係部署に説明するための客観的なデータも必要です。
本記事では、最新データをもとに、縦型動画広告の市場規模と成長要因を整理します。データから読み取れる点と読み取れない点、取り組む際の課題もあわせて取り上げているため、ぜひ参考にしてください。
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縦型動画広告の市場規模

縦型動画広告の国内市場は、2025年に2,049億円へ拡大しました。前年比は155.9%で、動画広告市場全体の前年比122.2%を上回る伸びです。国内の市場調査と広告費の統計をもとに、縦型の規模と、動画広告全体における位置づけを解説します。
縦型動画広告は2,000億円規模に拡大、前年比155%超の成長
サイバーエージェントが発表した「国内動画広告の市場調査」は、2025年の縦型動画広告の市場規模を2,049億円と推計しています。前年比は155.9%で、動画広告市場全体の伸びを上回る水準です。さらに、2026年は2,771億円、2029年は5,648億円まで拡大する予測が示されました。

出典:株式会社サイバーエージェント「2025年 国内動画広告の市場調査」
こうした推移から、縦型動画広告は動画広告の中でも成長の速いフォーマットといえます。
スマホ向け動画広告の約3割を縦型が占める
同調査によると、2025年のスマートフォン向け動画広告に占める縦型動画広告の割合は29.1%です。スマートフォン向け動画広告の市場規模は7,053億円で、前年比122.7%、動画広告全体の約8割を占めます。
縦型の割合は、2029年に42.5%へ高まる見通しです。現時点でも、動画広告の大半を占めるスマートフォン向けの約3割は縦型であり、広告予算を配分する際は、縦型も比較の対象に含めて検討する規模に達しているといえます。
出典:株式会社サイバーエージェント「2025年 国内動画広告の市場調査」
ビデオ広告は初の1兆円突破、縦型動画広告の伸長が寄与
CARTA HOLDINGS、電通、電通デジタル、セプテーニが公表した「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」では、ビデオ(動画)広告が1兆275億円となり、推定開始以降で初めて1兆円を超えました。前年比は121.8%で、インターネット広告媒体費全体に占める構成比は3割を超えています。

出典:株式会社CARTA HOLDINGS、株式会社電通、株式会社電通デジタル、株式会社セプテーニ「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」
成長の背景として、SNS上の縦型動画広告の伸長が挙げられました。2026年は前年比114.7%の1兆1,783億円に増える予測です。
縦型動画広告が拡大している背景

縦型動画広告の市場拡大には、動画を視聴するユーザー、広告を出稿する広告主、広告を配信するプラットフォームの三者の動向が関係しています。ここでは、ユーザーの視聴習慣の変化、広告主の出稿動向、プラットフォーム側のサービス拡充とAI活用の順に解説します。
ユーザーの視聴習慣の変化
縦型動画広告が伸びている土台には、縦型動画を日常的に視聴するユーザーの広がりがあります。サイバーエージェントの調査は、縦型動画コンテンツの視聴が幅広い世代で定着したことを、市場拡大の背景に挙げています。
また、総務省情報通信政策研究所の「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」では、TikTokの利用率が全年代で令和2年度の14.9%から令和7年度の36.7%へ、5年間で2倍以上に伸びたことが示されています。縦型動画の配信先であるYouTubeとInstagram(Meta)も、利用率は81.5%、54.8%と高い水準です。

出典:総務省「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(概要)」
広告は視聴者が集まる場所に出稿されるため、縦型動画を視聴するユーザーが増えるほど、縦型の広告枠で届けられる相手も増えていきます。
関連記事:Z世代のSNS利用実態は?利用トレンドと、企業が知るべき2026年の最新情報をご紹介
動画広告への予算シフトとフォーマットの定着
縦型動画広告を出稿する企業が増えると、配信した結果や動画の作り方、運用のポイントといった情報が市場に共有されていきます。共有された情報を参考にできるため、新たに縦型を始める企業にとっては、取り組みやすい環境です。
取り組む企業が増えれば、さらに情報が集まる好循環も生まれます。サイバーエージェントの調査では、テレビCMから、OTT(インターネット経由で視聴する動画配信サービス)やインターネットにつながるテレビ向けの広告へ、予算を移す動きが進んでいると指摘されています。動画広告に予算を回す企業が増えるなかで、縦型も選択肢の一つとして定着しつつあります。
出典:株式会社サイバーエージェント「2025年 国内動画広告の市場調査」
プラットフォーム側のサービス拡充とAI活用
TikTok、Instagramリール、YouTubeショートなど、主要なプラットフォームが縦型動画の配信面を広げ、広告の出稿先として使える枠を増やしてきました。広告主にとっては、縦型で作った動画を複数のプラットフォームで活用しやすくなる点が利点です。
あわせて、広告制作を支援するAI機能も充実してきました。たとえば、TikTokのSymphony Creative Studioは商品情報と既存素材から動画を生成でき、Google広告のP-MAXは既存の横向き動画から縦向きの動画アセットを自動で作成できます。こうした機能も、縦型動画広告を始める際の制作負担を抑える後押しの一つといえます。
関連記事:【企業向け】YouTubeショート動画をバズらせる方法は?2026年最新の仕組みとコツ
縦型動画広告の活用判断で押さえたい視点

市場規模の拡大は、縦型動画広告に取り組むかどうかを判断する材料の一つにすぎません。市場データで分かる範囲と、自社で確認する項目を分けて整理することが重要です。
市場データでは成果までは判断できない
市場規模や構成比は、広告市場全体の動きを示す数字であり、自社の広告で得られる成果を示すものではありません。たとえば、縦型動画広告の市場が前年比155.9%で伸びていても、自社の成果が上がるとは限りません。自社商材のCPA(1件の成果を得るためにかかった広告費)やコンバージョン率(問い合わせなど目標の達成率)が横型や静止画より改善するかどうかは、市場データからは判断できません。
予算判断の前に確認したい自社の状況
予算を移すかどうかを決める前に、次の4つの観点で自社の状況を確認すると、判断の抜け漏れを防げます。
- 広告の目的:認知の拡大を狙うのか、問い合わせの獲得を狙うのか
- 届けたい相手:縦型動画を日常的に視聴している層かどうか
- 既存の動画素材:縦向きに転用できるかどうか
- 運用体制:配信後に数値を確認して改善まで担当する人員と時間を確保できるか
あらかじめ現状を整理しておくと、制作会社に相談する際にも、目的や条件を具体的に伝えられます。
縦型動画広告に取り組む際に想定される課題

縦型動画広告の導入・運用にあたっては、事前に把握しておきたい課題があります。ここでは、企業が特に検討すべきポイントと具体的な対応策を解説します。
クリエイティブの量産・更新頻度への対応
縦型動画広告では、冒頭の見せ方、尺、字幕、出演者などの要素ごとに複数の案を作り、配信結果を見て入れ替えていく運用が前提です。検証するパターンが増えるほど、企画・撮影・編集にかかる工数も増加するため、制作体制の確保が課題となります。こうした負担を軽減する手段として、AIによる制作支援も選択肢の一つです。
たとえば、Google広告のP-MAXでは、既存の横向き動画から縦向きの動画アセットを自動で作成する機能があり、TikTokのSymphony Creative Studioには、商品情報から動画を生成する機能が備わっています。自動で作られた動画は、品質や自社のブランドイメージとの整合性を、広告主の側で確認する必要があります。
制作の工数を抑える手段と、品質を担保する確認作業は、あらかじめ運用に組み込んでおくことが欠かせません。
効果検証(PDCA)を回すための体制づくり
縦型動画広告は、配信して終わりではなく、結果を見て企画や編集を見直す運用が前提です。見直しを回すには、事前に指標を決めておくことが欠かせません。
たとえば、動画の視聴完了率、クリック率、問い合わせなどの獲得件数と獲得単価が、目的に応じた指標の候補です。数値を見る担当者、動画の修正を判断する担当者、制作側へ指示を出す担当者の役割を分けておくと、改善までの流れが明確になります。
媒体の管理画面で確認できる指標は、媒体ごとに違いがあるのが実情です。配信前に、どの数値をどの頻度で確認するかを、社内で共有しておく必要があります。
内製と外部委託、どちらを選ぶかの判断軸
内製か外部委託かは、制作量、品質、費用、ノウハウの蓄積の4つの軸で比較できます。
内製は、修正や差し替えを社内で完結でき、運用の知見が社内に残る点が利点です。一方で、企画、撮影、編集を担う人員と機材を確保できなければ、内製は成り立ちません。
外部委託は、企画から撮影、編集までを任せられ、社内の工数を抑えられます。反面、修正のたびに依頼と確認が発生し、費用も制作本数に応じて増加する点が負担です。出演者の手配や撮影が必要な形式では、内製の負担が特に大きくなります。
企画と台本は外部に任せ、配信後の改善は社内で行うなど、工程ごとに分担する形も選択肢です。
縦型動画広告に関するよくある質問(FAQ)

最後に、縦型動画広告の導入を検討する際によく寄せられる質問に回答します。
縦型動画広告にはどのような活用事例がある?
活用事例は、媒体各社が業種別に公開しています。TikTok for Businessの導入事例ページでは、専門サービス、金融サービス、モバイルアプリ、ヘルスケア&製薬といった業種の企業の掲載があります。成果指標として、社名検索数やフォロワー数、クリック率、獲得単価などが紹介されています。
自社と同じ業種や近い広告目的の事例を参考にすることで、クリエイティブの企画や配信施策を検討しやすくなります。また、事例で用いられている成果指標も参考にしながら、自社の広告目的に合ったKPIを設定し、効果検証につなげましょう。
関連記事:【企業向け】TikTokでバズる7つの方法とは?メリットや具体的な施策・2026年版
縦型動画広告はどのくらいの予算・本数から始めるべき?
始める予算や本数に一律の基準はなく、検証したい内容から逆算して決めるのが基本です。比べたい要素が多いほど、必要な動画の本数と予算は増えます。
たとえば、冒頭の見せ方を比べるのか、訴求内容を比べるのかを先に決め、比較に必要な動画を複数本用意する形が一例です。媒体ごとに、キャンペーンの最低予算や入稿できる動画の仕様が定められているため、各媒体の公式ヘルプで確認してください。
縦型動画広告の制作を外部に依頼する場合の流れは?
流れは会社により細部が異なりますが、おおむね次の順序で進みます。
1. 目的・指標・配信媒体・予算・納期の共有
2. 企画案と見積もりの提案
3. 契約、台本と構成の確認
4. 出演者の手配、撮影、編集
5. 修正の確認、納品
6. 媒体への入稿・配信、数値の分析と改善
企画から投稿、分析までを一括で担う会社もあれば、制作のみを担う会社もあります。依頼前に、対応範囲を確認することが重要です。
縦型動画広告とショート動画広告の違いは?
縦型動画広告は、一般に、スマートフォンの縦向きの画面で表示することを前提にした動画広告の総称です。ショート動画広告は、TikTok、YouTubeショート、Instagramリールのように、短い動画を連続して視聴するフィードに配信される広告を指して使われます。
両者は重なる部分が多く、定義は媒体や調査ごとに異なるのが実情です。YouTubeショートの広告では、横向きやスクエアの素材にも対応しますが、縦向きが優先され、動画の長さは最大3分までと定められています。
関連記事:ショートドラマ広告とは?従来の動画広告との違いや活用事例をご紹介
まとめ

本記事では、縦型動画広告の市場規模と成長要因、取り組む際の課題を解説しました。縦型動画広告の国内市場は、2025年に2,049億円(前年比155.9%)となり、スマートフォン向け動画広告の29.1%を占めました。2029年には5,648億円、構成比42.5%まで伸びる予測です。縦型動画の視聴習慣の定着、動画広告への予算シフト、AI技術の進歩が、調査で挙げられた成長の背景に当たります。
一方で、市場データから分かるのは市場全体の動きであり、自社の広告成果は配信テストで確認する必要があるという点は、押さえておきたい前提です。取り組む際は、クリエイティブの量産、効果検証の体制、内製と外部委託の分担を、事前に整理しておくと判断を進めやすくなります。
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