公開日:2025.10.28
更新日:2025.10.27
SNS運用
ショートドラマ広告とは?従来の動画広告との違いや活用事例をご紹介
近年、動画広告が一般的となる中で、新たな広告手法として「ショートドラマ広告」が注目されています。ひとつの物語として視聴者の心を掴むショートドラマ広告は、ユーザーに広告感を与えず自然に商品やサービスの魅力を訴求できる手法です。共感を生みやすく拡散性も高いことから、広告予算が限られた中小企業にとっては特に有効です。
本記事では、ショートドラマ広告の基礎知識や成功のポイントに加え、実際の活用事例もご紹介します。
「広告費をかけてもなかなか認知度が上がらない」「従来の動画広告はすぐにスキップされてしまう」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
いま注目の「ショートドラマ広告」とは
ショートドラマ広告は、短尺ながらもストーリー性を持った動画広告です。主にTikTokやYouTubeショート、Instagramリールといったショート動画プラットフォームで配信されます。
従来の広告は、商品の良さや機能をストレートに説明する形式が多い傾向です。一方ショートドラマ広告は、日常生活によくあるようなテーマや登場人物の感情の変化を分かりやすく伝えることで、ユーザーの興味を引きつけています。
関連記事:【企業向け】SNSで話題のショートドラマとは?人気の理由や特徴、成功のポイント
現代の若年層に合ったコンテンツとして急成長
近年、若年層がコンテンツに求めるものが変化していることから、ショートドラマ広告は若年層の感性に合った新しい広告手法として大きく成長しています。
特にZ世代を中心とする若年層は、テレビCMのような情報を一方的に伝える広告やセールス要素が強いあからさまな広告を好みません。代わりに、なにげない会話のような自然さのあるやりとりやエンタメ性、感情移入できるストーリーなどを重視します。
その点、ドラマの予告動画やSNSのショート動画に近い形式であるショートドラマ広告は、ユーザーに嫌悪感を与えずにメッセージを届けられるため効果的です。
関連記事:Z世代マーケティングとは?成人式ビジネス・自動車教習所の集客にも効果的なSNS運用を解説
従来のSNS広告やインフルエンサーPRとの違い
ショートドラマ広告をうまく活用するには、従来の手法との違いをよく理解し、正しく使い分けることが重要です。
1.コンテンツのストーリー性
2.没入感と離脱率
3.感情移入のしやすさ
主な3つの違いを詳しく解説します。
1. コンテンツのストーリー性
従来のSNS広告やインフルエンサーPRでは、「今すぐタップ!」「この〇〇を買わなきゃ損!」のように、直接的な訴求をする形式が主流でした。
一方、ショートドラマ広告は、商品そのものではなくストーリーがメインです。ユーザーの感情や共感を意識したストーリー性が重視されています。ユーザーが自分のことのように捉えられる構成によって、セールス感を与えず自然な形で印象付けることが可能です。
2. 没入感と離脱率
動画広告の課題として、すぐにスキップされて離脱率が高くなりやすい点が挙げられます。これにより、従来の手法では広告効果を実感できないといった場合も少なくありません。
その点、ショートドラマ広告は動画コンテンツとしての没入感が高く、スキップされにくく最後まで視聴されやすい傾向にあります。
・最初のつかみとして、冒頭でユーザーを動画世界観に引き込む構成にする
・没入感を意識し、スマートフォンの画面全体に動画が表示される縦型動画にする
などの工夫を加えることで、ユーザーは「広告と分かっていても続きが気になる」「高い没入感を提供してくれる」と感じやすくなります。
3. 感情移入のしやすさ
従来の手法とショートドラマ広告では、感情移入のしやすさにおいても違いがあります。
たとえばインフルエンサーPRの場合、特定のインフルエンサーに対する憧れや信頼をベースに購買を促します。そのため、インフルエンサーのファン層には強力であるものの一般ユーザーには響きにくく、訴求力が限定的です。
関連記事:インフルエンサーへのPR依頼方法とは?施策の種類や費用、依頼時のポイントなどを解説
ショートドラマ広告の場合、ストーリーに自分を重ねることで感情が動き、ユーザーは追体験が可能となります。特に、日常で誰もが抱える悩みを解決していくストーリーや、登場人物の成長を描いたストーリーは多くの人の心に響きやすい内容です。
その結果、ユーザーはブランドに信頼感を抱き、商品やサービスに対しての興味関心が高まります。
ショートドラマ広告が企業におすすめの理由
SNS広告の成果に悩んでいる企業にとって、ショートドラマ広告は効果的な解決策となります。企業におすすめの理由は以下の通りです。
1. 「バズ」の利用で認知度が低いアカウントでも効果が期待できる
ショートドラマ広告はSNSアルゴリズムと相性が良く、また共感を得やすいことから、フォロワー数が少ない状態でもバズりやすくなります。
そのため、広告予算が限られている中小企業やスタートアップ企業でも、ショートドラマ広告が伸びれば短期間で多くのユーザーにリーチできます。「バズ」によって低予算で圧倒的に認知度を高められる可能性がある点は、ショートドラマ広告の大きな魅力です。
関連記事:SNSでショートドラマがバズり中!参考にしたい活用事例13選をご紹介
特にTikTokでは、感情を動かすような動画が伸びやすい傾向があり、広告感を抑えたドラマ形式の広告は高い効果が期待できます。
2. ブランドや商品の魅力を深く伝えられる
競合との差別化が年々難しくなっている現在、機能や価格で差を付けるだけでなく、ブランドメッセージの発信がより重要となっています。
ブランドや商品の魅力が伝わる発信は、ユーザーの印象に強く残ります。
「この企業は信頼できる」「応援したい」といった、感情的価値をユーザーに感じさせることが、長期的なファン化にもつながります。
ショートドラマ広告を活用する際は、商品が生まれた背景やブランドに関わる人々の想いなどを深く伝えられるよう工夫しましょう。
3. エンタメとしてユーザーの心を掴める
ショートドラマ広告は、広告であると意識せずに楽しめることから、ひとつのエンタメとしてユーザーの心を掴めます。広告に対する不快感や嫌悪感を減らすことは、企業にとって極めて重要です。
心理的な抵抗が少なくなると、ユーザーが抱くブランドへのイメージがポジティブなものになるため、ファンを生み出すことにもつながります。
ショートドラマ広告の効果的な活用例
ショートドラマ広告を活用する際、単に情報を提供するだけのストーリーでは効果を十分に発揮できません。「どのようなストーリーで、誰の心をどう動かしたいか」をしっかりと考え、自社の目的やターゲットユーザーの課題に合わせて企画しましょう。
具体的な活用イメージをご紹介します。
商品やサービスを利用することで問題を解決するストーリー
日常で不便を感じることや、現代社会で多くの人が抱えているような悩みをテーマに、その解決策として自社商品を取り上げる構成です。
【具体例】
・出勤前の忙しい朝に、ある商品を使うことによって時間にゆとりが生まれ、暮らしが豊かになるストーリー
・育児や家事で大きな壁にぶつかった人が、友人からあるサービスの存在を教えられ、利用することで問題が解消されるストーリー など
検討時の不安要素を解消するストーリー
ユーザーが購入前に感じるであろう不安をショートドラマ広告の中でリアルに再現し、登場人物にネガティブな感情や疑問を代弁させることで不安要素を解消していく構成です。
「商品・サービスの良さは理解しているが、本当に必要か、自分に使いこなせるか」といった不安から購入に踏み出せないユーザーの心理的ハードルを下げます。
主に、よくある質問や、顧客から指摘されやすい点をテーマにすることがおすすめです。
【具体例】
・半信半疑のまま商品を購入した人が、実際に使用していく中で価値を実感するストーリー
・サービスの利用を検討中の人が、すでに利用している友人から具体的な利用方法やアフターサービスの質を伝えられ、納得した上で安心して購入するストーリー など
開発者・生産者の想いを伝えるストーリー
作り手の情熱やブランドの想いなど、背景にあるストーリーをショートドラマ広告として発信します。商品の性質や価格だけでなく、その裏側に価値を見出すユーザーは少なくありません。
開発者や生産者の想いを伝える構成は、ブランドの信頼性と好感度向上にもつながるため非常に有効です。
【具体例】
・開発時の地道な努力や、度重なる失敗を経て商品が生まれた様子を描いたドキュメンタリー風のストーリー
・「このサービスを必要としている人の力になりたい」という強い想いから創られたサービスが、実際に多くの人の助けとなっている様子を描いたストーリー など
ショートドラマ広告を成功させるポイント
ショートドラマ広告を成功に導くための具体的なポイントは、以下の通りです。
拡散の仕組みを理解する
SNSでは、ユーザーの感情の動きがエンゲージメントの向上に関係します。ユーザーが「まるで自分のことのようだ」と共感できる内容や、「このブランドを誰かに教えたい」と感じるストーリーを意識しましょう。
また、より成果を上げるには、アルゴリズムを理解し「バズ」を起こすことが重要です。最後まで視聴してもらえるような構成にする、コメントを活用したコミュニケーションを増やすなど工夫してください。
最適なプラットフォームで発信する
広告の最適な配信先は、ターゲット層によって異なります。
たとえば、Z世代中心の若年層がメインであればTikTok、幅広い世代へのリーチを狙う場合はYouTubeがおすすめです。
プラットフォームごとにユーザー層やトレンドに違いがあるため、自社の広告と配信先の相性を考慮することでさらなる効果が期待できます。
再生回数以外の指標にも目を向ける
動画広告にとって、再生回数はリーチの広がりを示す指標ではありますが、広告の成果を測定するにはほかの指標も意識する必要があります。
・いいね、コメント、シェア、保存などのエンゲージメント数
・広告を視聴したユーザーのうち、成果が得られた割合を示すコンバージョン率
・成果を得るためにかかった費用を把握するためのクリック単価
・ユーザーの離脱率
など、あらゆる指標をもとに分析することで成果を最大化できます。
プロのサポートを受ける
ショートドラマ広告を活用するには専門知識やスキルが求められます。
SNS運用と広告運用だけでなく、動画撮影や編集作業も必要です。プロのサポートが入ることで完成度が大きく変わるため、制作から運用までを一括して任せられるSNS運用代行会社との連携がおすすめです。
株式会社ユナイテッドアニマルズではSNS運用代行やマーケティング支援を行っており、ショートドラマ広告の制作も対応しています。ですので、お悩みの際はぜひご相談ください。
関連記事:おすすめのショートドラマ制作会社7選|委託のメリットや選び方のポイントもご紹介
企業がショートドラマ広告を活用した事例4選
最後に、ショートドラマ広告を活用した企業の事例をご紹介します。自社のショートドラマ広告を制作する際はぜひ参考にしてください。
ELECOM×イロコイと猫
出典元:@ironeko29
PCやスマホの周辺機器など、あらゆるデジタル関連製品の開発・製造・販売を行うメーカー「ELECOM(エレコム)」は、株式会社ユナイテッドアニマルズが運営するTikTokショートドラマアカウント「イロコイと猫」とのタイアップで自社製品のPRをしています。
連続ショートドラマとして投稿された動画は、エレコムの定番キャラクター「しろちゃん」のモバイルバッテリーをきっかけに展開していくストーリーです。動画の中では、商品が自然でありながらも分かりやすく映されていることから、視覚的に商品の印象を与えられます。
Canva
出典元:@canvajapan
あらゆるデザインがオンラインで簡単に作成できる無料のグラフィックデザインツール「Canva(キャンバ)」のTikTokアカウントでは、ショートドラマ広告を通じてあらゆる角度から訴求しています。
リモートワークをテーマにしたショートドラマは、わずか2分でプレゼン準備をする様子がコミカルに描かれたエンタメ性の高いストーリーです。ストーリーを純粋に楽しめる構成でありながら、自社ツールの利便性をしっかりと伝えています。
東京ジョイポリス×瞬間seju
出典元:@shunkanseju
屋内型テーマパーク「東京ジョイポリス」はプロダクションレーベル「seju」と手を組み、高校生の日常を描いた青春ショートドラマを公開しています。
ジョイボリスを舞台に恋愛や友人関係をテーマにしたストーリーが展開されており、若年層が共感しやすい構成になっている印象です。
花王
出典元:@kimi_spo
日本の大手化学メーカー「花王」は、NewsTVが運営するTikTokショートドラマアカウント「君にスポットライトを当てたい」とのタイアップでヘアケアシリーズ「メリット」のPRをしています。
仕事を頑張っている姉妹がお互いに相手を労わる様子が描かれる中で、自社製品のドライシャンプーを溶け込ませています。
関連記事:SNSでショートドラマがバズり中!参考にしたい活用事例13選をご紹介
まとめ
SNSで広告を避ける人が増えている今、ショートドラマ広告は企業のメッセージを自然かつポジティブに届けられる有効な手法です。広告予算が限られている場合でも、うまく活用することで大きな成果をもたらす可能性があります。
「従来のSNS広告に課題を感じている」「ショートドラマ広告を取り入れてみたい」とお考えの方は、本記事でご紹介した活用イメージや成功のポイントを参考に、ユーザーの心を掴むショートドラマ広告を発信してみてください。
SNS運用代行・マーケティング支援なら
ユナイテッドアニマルズへ
ユナイテッドアニマルズでは、インフルエンサーのマネジメント・プロデュース・育成およびクライアント企業のマーケティング戦略立案・広告・宣伝支援を行っています。
また所属インフルエンサーによるプライベートブランドの開発、クライアント企業とのタイアップ商品開発、販売も行っています。
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