2024.09.27
SNS運用
海外向けSNS運用におけるポイントとは?メリットや注意点を解説
日本国内における人口減少が進むなか、海外での販路や事業拡大がますます重要になっています。しかし、海外市場への進出を目指す際には、しっかりとしたSNS運用戦略を立てておかないと、失敗するリスクがあります。
本記事では、海外向けのSNS運用における成功のポイントをまとめ、各国におけるSNSの利用状況や、SNS運用のメリットや注意点についても解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
海外向けSNS運用の概要
海外向けのSNS運用は、海外に住む外国人や企業をターゲットにしたSNSマーケティングのことです。近年、各SNS媒体で多くの企業アカウントが活発に運用されており、日本国内だけでなく、海外市場に向けた商品やサービスに関する情報発信が増加しています。
また、SNSは無料でアカウントを作成できるため、コスト面でもハードルが低く、比較的手軽にはじめられるマーケティング施策です。いきなり海外現地でのビジネスを始めるのではなく、SNS運用を通じて市場の反応を確認し、その後本格的に参入することも効果的な方法です。
海外向けのSNS運用が注目される背景
海外向けのSNS運用が企業で注目される背景には、どのような理由があるのでしょうか。日本国内の市場状況や、マーケティングの観点から、なぜ海外向けのSNS運用が必要とされるのか、その理由を解説します。
・日本国内の人口減少が進んでいる
・デジタル化が進むなかで海外進出がしやすい
・さまざまなターゲットにアプローチできる
日本国内の人口減少が進んでいる
1つ目に、日本国内の人口減少が進んでいることが挙げられます。総務省が公表した「人口推計 2024年(令和6年)8月報」によると、8月1日時点の総人口は1億2385万人で、前年同月に比べて約50万人減少しました。
また、2050年には日本の総人口が1億人にまで減少すると予測されています。つまり、企業にとっては顧客数の絶対値が減少し、売上にも大きな影響を与える可能性があると考えられます。ビジネスへの影響を最小限に抑えるためには、日本国内だけでなく、海外市場を開拓することが必要です。
デジタル化が進むなかで海外進出がしやすい
次に、デジタル化が進んでいることで、以前よりも海外進出が容易になったことも背景にあります。とくに、EC領域は、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大以降急速に市場が拡大しました。
従来のビジネスでは、海外現地に実店舗を構える必要がありましたが、ECであれば商品の在庫スペースを用意するだけでビジネスを始められるチャンスがあります。また、SNSも、短文投稿型やコミュニティ型、ショート動画型など、さまざまな媒体があり、海外に住む人々とより簡単につながりやすくなりました。
新しいビジネスチャンスが広がっている
今後新しいビジネスチャンスを掴むためには、海外向けのSNS運用が欠かせません。日本と海外では日常生活や、食生活、趣味・趣向、トレンドなどが異なり、日本にはないビジネスチャンスが広がっています。
これらのビジネスチャンスにアプローチしていくためには、SNS運用を通じて消費者の信頼やファンを獲得することが重要です。SNSを活用したマーケティングを進め、売上につながるような下地を作りましょう。
各国におけるSNSの利用率や状況
日本でX(Twitter)が流行っているように、海外でもさまざまなSNS媒体が使われています。このパートでは、各国におけるSNSの利用率や状況をご紹介します。
アメリカ
・YouTube:約81%
・Facebook:約68%
・Instagram:約47%
出典元:Social Media Fact Sheet│Pew Research Centre
アメリカでは、Googleが提供するYouTubeの利用率が90%近くあります。ショート動画も人気ですが、YouTubeも多くのユーザーに使われています。また、Facebookは高年齢層のユーザーに、InstagramはZ世代やミレニアル世代といった若年層といった形でユーザー層が分かれています。
中国
・WeChat (微信):約100%
・Douyin (抖音):約65%
・Weibo (微博):約45%
出典元:
Weibo Reports Third Quarter 2021 Unaudited Financial Results│Weibo
Tencent Announces 2021 Third Quarter Results│Tencent
Chinese Social Media: 2024 Top Platforms│GAB CHINA
Wechatは、中国版のLINEであり、国民のほとんどがアカウントを持っています。友人や家族とのメッセージのやりとりや、電子決済などに利用されるSNSです。次に、Douyinは中国版のTikTokで、日本でもショート動画が人気を集めているように、中国でも多くのユーザーが利用しています。Weiboは、中国版の「X」として短文投稿型のSNSです。
韓国
・カカオトーク:約85%
・Instagram:約62%
・Facebook:約47%
出典元:Social Media in South Korea in 2024│InterAd
韓国ではカカオトークと呼ばれるメッセージアプリが使われています。LINEも使われていますが、カカオトークはビジネスや公共サービスでも使われるケースがあります。また、日本同様にInstagramは若年層に人気のSNSです。利用率は高くないものの、ビジネスパーソンを中心にFacebookも利用されています。
タイ
・Facebook:約90%
・TikTok: 約78%
・Instagram: 約66%
出典元:Digital 2023: Thailand│DATAREPOTAL
東南アジアのなかでも多くの日本企業が進出するタイでも、SNS運用が有効です。タイでは、FacebookやInstagramが人気で、さまざまな場所で撮影した自撮り写真をSNS上に載せるのが若者の間でトレンドになっています。また、TikTokも人気のSNSで、主に自身が購入した服や、旅行先などで撮影したショート動画を楽しむ傾向にあります。
海外向けにSNS運用を行うメリット
海外向けにSNS運用を行うことで、どのようなメリットがあるかご紹介します。
・海外進出のきっかけにつながる
・新規顧客の開拓に活かせる
・世界各国の消費者とコミュニケーションが交わせる
1. 海外進出のきっかけにつながる
1つ目のメリットは、海外進出の足がかりを作れる点です。ビジネスにおいて、いきなり海外進出を試みるのは、企業にとっても大きなリスクを伴います。
そこで、SNS運用を通じて少しずつ進めることで、リスクを抑えながら海外市場への展開を目指せます。さらに、自社の商品やサービスとの相性がSNS運用で可視化されるため、実際の海外進出に向けた判断材料にも活かせます。SNS運用は、海外での成功の可能性やリスクを見極めるために有効です。
2. 新規顧客の開拓に活かせる
次に、新規顧客の開拓に活用できる点です。冒頭でも解説したとおり、将来的に日本の総人口は減少し、ビジネスの拡大余地が狭まることが予想されます。
一方で、東南アジアを中心に海外では総人口が増加している国も多く、海外で新たな顧客を開拓するチャンスがあります。SNS運用は海外進出に向けた有効な手段の1つになります。
3. 世界各国の消費者とコミュニケーションが交わせる
そして、世界各国の消費者と直接コミュニケーションを取れる点も、SNS運用の大きなメリットです。一方通行の広告とは異なり、SNSでは企業と消費者が双方向のやり取りを行うことで、企業は消費者の声を直接聞く機会を得られます。
たとえば、消費者が求めているサービスや、既存サービスの改善点、支持されている顧客層などを具体的に把握し、今後のマーケティングに活用できます。さらに、消費者の声に対して企業が積極的に発信を続けていくことで、信頼感が生まれ、ブランディングの強化にもつながります。
海外向けにSNS運用を行う際のデメリット
前述の通り、海外向けにSNS運用を行うことで多くのメリットが得られます。しかし、デメリットをはじめとする注意点にも気をつける必要があります。
1. 日本との文化や消費行動の違いがある
海外向けにSNS運用を始める際は、日本と海外における文化や消費行動の違いに注意しましょう。日本で当たり前に受け入れられている商品やサービスが、海外では需要がなく、売上につながらない可能性もあります。
とくに、文化の違いはSNS運用において念入りに確認しなければなりません。場合によっては、自社アカウントの炎上や、海外で不買活動に発展するケースも考えられます。まずは、日本と海外の文化の違いを徹底的に調べ、投稿が不快感を与えないよう十分注意することが大切です。
2. 海外では思うように成果が出ない可能性がある
次に、海外向けのSNS運用で期待していたほどの成果が出ない可能性もあります。日本国内では投稿が何度もバズり、多くのファンを獲得していても、海外ではなかなかフォロワーが増えないことが考えられます。
日本人と外国人ではニーズが異なるため、SNSで早期に成果を上げたり、売上につなげることは難しいかもしれません。しかし、最終的に自社の売上を拡大させるためには、現地に合わせたコンテンツ制作や、ターゲットを適切に設定することが重要です。
3. 各国に合わせて運用者を採用する必要がある
最後に、海外向けSNSでは運用者の選定が非常に重要です。前述のとおり、日本と海外では文化やニーズが異なることから、コンテンツ制作を現地に合わせてローカライズする必要があります。
社内に各国の事情に精通した人材がいない場合は、新たに運用者を採用することもポイントです。採用コストがかかりますが、海外向けSNS運用で成功するためには、適切な人材を確保することが不可欠です。
海外向けSNS運用で成果を出すためのポイント
海外向けSNSの運用で成果を出すためには、運用側で工夫が求められます。どのようにして成果を出せるのか、以下3つのポイントで解説します。
・各国に特化したSNSページを作る
・利用率やターゲットに合わせて運用する
・SNS運用の専門業者に相談する
1. 各国に特化したSNSページを作る
はじめに、SNS運用を行う国に特化したSNSページを作成することが重要です。たとえば、中華圏でSNSを運用する場合、中国語でページを作成し、現地の人々がどのようなコンテンツなのか一目で認識できるようにします。
さらに、言語だけでなく、デザインにも工夫しましょう。日本人にとって好みのデザインでも、現地の人々には使いにくいと思われる可能性もあります。現地のトレンドや好まれる配色を取り入れ、デザイン面でもローカライズを図りましょう。
2. 利用率やターゲットに合わせて運用する
海外向けのSNS運用を始める際には、どのSNSを導入するかが重要なポイントとなります。日本では、InstagramはTikTokといったSNSが流行っていますが、前述した通り運用先の国で同じSNSが流行っているとは限りません。
また、ターゲットに合わせてSNSを選定することも重要です。たとえば、ビジネスパーソン向けにSNSで集客する場合、Facebookが選択肢として考えられます。このように、各国におけるSNSの利用率やターゲットの属性を考慮し、どの媒体を運用するかを慎重に検討しましょう。
3. SNS運用の専門業者に相談する
海外でのSNS運用に不安がある場合は、専門業者に相談するのも選択肢のひとつです。とくに、現地向けのローカライズはSNS運用成功の鍵となる重要な施策であり、現地の趣向やトレンドに精通した人材が必要です。
株式会社ユナイテッドアニマルズが提供する「&WAKE」では、SNS運用の代行サービスを提供しています。SNS運用における集客方法や、ローカライズ、コンテンツ制作などで課題を持っている企業担当者の方は、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
本記事では、海外向けのSNS運用におけるポイントやメリット、注意点についてお伝えしました。日本国内の総人口が減少するなか、今後海外進出を狙う企業にとって、SNS運用は不可欠なマーケティング施策です。
しかし、海外でSNS運用を行う場合、各国の文化や消費行動などを細かく確認する必要があります。成果を出すためにも、SNSの利用率やターゲットに合わせた媒体選定に加えて、専門業者に依頼することも検討してみてください。
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