2024.06.28
SNSマーケティング
インスタショッピング機能とは?導入メリットや設定手順、事例をわかりやすく解説
Instagram(インスタ)のショッピング機能は、写真や動画から自社の商品購入ページへユーザーを誘導し、簡単にオンラインショッピングを楽しんでもらえる機能です。
投稿から直接ECサイトへ遷移できるため、購買意欲が高いユーザーを購入ページへと誘導できるという利点があり、導入を進める企業は増加しています。ECサイトで商品を販売する企業にとって、同機能を設定して有効活用できるかどうかは売上に大きく影響します。
本記事では、インスタショッピング機能に関して、基礎知識や導入メリット、設定方法などを詳しく解説します。
目次
インスタショッピング機能とは
Instagram(インスタ)のショッピング機能は、インスタに投稿した画像から数回タップするだけで、直接商品購入ページへ遷移できる機能です。
ECサイトとインスタの投稿を連結させ、投稿した画像に商品名や価格を表示できるので、ユーザーは外部URLに遷移する手間が省け、簡単にオンラインショッピングを楽しめます。
プロフィール画面上の「ショップを見る」やストーリーズ、広告などからもショップにアクセスでき、商品タグが付いた商品一覧を確認することも可能です。
このショッピング機能を活用することで売上向上や高いプロモーション効果が期待できるため、近年では多くの企業が取り入れています。
インスタショッピング機能を導入するメリット
インスタのショッピング機能を導入する主なメリットを4つ紹介します。
無料で利用可能
インスタのショッピング機能は無料で利用可能です。
活用するためには商品登録やFacebookページとの連携など、設定作業は必要になりますが、コストをかけずに集客力や認知度、CVRなどの向上が期待できるというメリットがあります。
小規模事業や広告に予算を割けない企業にはとくにおすすめの機能です。
購買数の向上
ショッピング機能では、ユーザーを商品の詳細・購入ページまでユーザーをスムーズに誘導できるので、商品の購買数向上が見込めるというメリットがあります。
ショッピング機能が搭載されるまでは、プロフィールからECサイトへ遷移して商品を検索するか、外部サイトで商品を検索しなければなりませんでした。ECサイトへとダイレクトに遷移できることで、途中離脱の防止やCVR向上にもつながります。
ブランドの認知拡大
ショッピング機能を活用することで、ブランドの認知拡大にも効果があります。
せっかくECサイトを開設しても、その存在を知ってもらわなければ売上へとつなげることはできません。ビジュアルメインのインスタは潜在顧客の宝庫とも言われているため、ショッピング機能を活用して効果的に投稿することで、認知度向上が見込めます。オンラインでの購買機会だけでなく、実店舗への来客増加にも効果的です。
SNSをきっかけに、これまで認知していなかった商品やブランドを購入するユーザーも増加しているため、認知拡大は購買力向上に直結しているといえます。
広告感が薄く受け入れられやすい
広告をあまりよく思わないユーザーも一定数存在するため、広告感が強い投稿はかえって逆効果になる場合があります。
インスタのショッピング機能は、通常の画像投稿に商品名や価格などが表示されるだけなので、有料広告と比べると広告感が薄く、受け入れられやすい傾向にあります。
Webサイトと同様に、自分の判断で商品ページに遷移でき、商品カタログのような感覚で閲覧できるのも特徴です。これにより、ユーザーの関心を強く引くことができ、購入してもらう可能性が高まります。
インスタショッピング機能の設定方法
インスタショッピング機能の設定方法を、以下の8ステップに分けて紹介します。
- 利用要件の確認
- Facebookページの作成
- インスタアカウントをビジネスアカウントに切り替える
- インスタのビジネスアカウントとFacebookページをリンクさせる
- Facebookビジネスマネージャの設定・ドメイン認証
- Facebookページへの商品登録・カタログ作成
- インスタショッピング機能の申請を行う
- 審査通過後はタグを追加する
1.利用要件の確認
まずショッピング機能を活用する前に、利用要件を確認しましょう。
インスタショッピングの概要ページ、もしくはヘルプセンター記事に記載されている利用条件を満たさなければ、ショッピング機能は利用できません。具体的には、インスタのプロアカウントが以下の5つの要件を満たしている必要があります。
- FacebookおよびInstagramのポリシーに準拠していること
- 該当するビジネスとドメインに紐づいていること
- 所在地がコマースを利用できる国であること
- 信頼性を示すこと
- 正確な情報を提供すること
インスタショッピング機能を利用するには、ECサイトを保有していることが前提となっています。これから設立する場合は、インスタとの連携が可能かどうかをあらかじめチェックしておきましょう。
参考:Instagram ヘルプセンター コマースの利用資格
2.Facebookページの作成
インスタのショッピング機能を利用するには、Facebookページを作成し、リンクさせる必要があります。
Facebookページとは、Facebook上に無料で作成できるホームページのことです。インスタでビジネスアカウントや広告を利用する際に必要になります。パソコンの場合は「Meta for Business」のWebサイトから、スマートフォンの場合はアプリから作成可能です。
以下の画像はパソコンでの作成ページです。Facebookアカウントでログインし、自社に適切な方を選んでスタートをクリックします。多くの企業が「ビジネスまたはブランド」に該当します。
その後は「ページの名前」「カテゴリ」を入力したら、画面左下の「Facebookページを作成」をクリックします。
その後、プロフィール写真とカバー画像の追加画面が表示されます。アップロードして、左画面下の「次へ」をクリックしてFacebookページを完成させていきます。
最後に左下に「完了」と表示されるので、そのボタンをクリックしたらFacebookページの完成です。
完成したFacebookページは以下のように表示されます。
3.インスタアカウントをビジネスアカウントに切り替える
インスタのアカウントをビジネスアカウントに切り替えましょう。
まずプロフィール画面の右上にある三本線をタップし、「設定とプライバシー」をタップします。
次に「アカウントの種類とツール」を選び、「プロアカウントに切り替える」をタップします。
その後は複数の質問が表示されるので、当てはまるものを選択、もしくは必要な情報を入力して、画面下の「次へ」もしくは「完了」をタップして進みます。
4.インスタのビジネスアカウントとFacebookページをリンクさせる
インスタのアカウントをビジネスアカウントに切り替えたら、Facebookページとリンクさせましょう。
ステップ3の流れで進むと、下記画像のような画面が表示されるので、その場合は「Facebookにログイン」から、ステップ2で作成したFacebookページのログイン情報を入力して完了です。
以下では、パソコンからインスタとFacebookをリンクした様子を画像で解説します。
まず、Facebookページの右上の丸をクリックします。
表示された項目の中から「設定とプライバシー」を選択します。
左側に表示された項目の中から「リンクするアカウント」をクリックします。すると画面右側に、リンクするアカウントとしてInstagramが表示されるので、「見る」を選びます。
以下の画面が表示されるので、「アカウントをリンク」をクリックします。
次に、InstagramのプロアカウントとFacebookページのリンクに関する注意書き等が表示されるので、画面右下の「リンクする」を選びます。
「受信箱でInstagramメッセージへのアクセスを許可する」にチェックを入れるか選んだら、右下の「認証する」をクリックします。
以下のような画像が表示されるので、Facebookページに紐付けしたいインスタのアカウントでログインします。もし該当するアカウントと異なる場合、右下の「アカウントを切り替える」をタップして、リンク付けしたいアカウントを選択しましょう。
アカウントタイプを選択し、「次へ」をクリックして進みます。
自社の事業に該当するカテゴリを選択して、右下の「完了」をクリックします。ビジネスポートフォリオに追加する旨が表示され、問題なければ「次へ」を押すと、インスタアカウントとFacebookページの紐付けが完了します。
紐付けが完了すると、以下のような画面が表示されます。
5.Facebookビジネスマネージャの設定・ドメイン認証
インスタのビジネスアカウントとFacebookページをリンクさせたら、Facebookビジネスマネージャの設定とドメイン認証を行いましょう。
Facebookビジネスマネージャとは、Facebookページの投稿や広告などを一括管理できるツールです。Facebookビジネスマネージャのアカウント作成ページにて、「アカウントを作成する」をクリックします。
次画面で名前やメールアドレスを入力する画面が表示されるので、入力したら右下の「送信」をクリックし、次の表示で「完了」を選択します。
ビジネスポートフォリオなど情報が表示されるので、右下の「完了」をクリックして進みます。
ビジネスマネージャのページを開いて、利用するアカウントを選択します。
ビジネス設定のページを開いたら、画面左側に表示されている「ドメイン」を選択し、画面中央に表示される「追加」をクリックします。
追加をクリックすると、「ドメインへのアクセスをリクエスト」と「新しいドメインを作成」が表示されるので、適切な方を選択して進むと、「認証待ち」と表示されます。
その後、表示されたメタタグをコピーし、ECサイトに埋め込みます。Facebookビジネスマネージャ側に「認証ボタン」が表示されるので、クリックすると、ドメイン認証が完了します。審査には時間がかかる場合もあります。
6.Facebookページへの商品登録・カタログ作成
ドメイン認証が完了したら、Facebookページへ商品を登録し、カタログを作成しましょう。
まず、Facebookページを開き、アイコンの画像をクリックして表示される項目の中から、「設定とプライバシー」をクリックします。画面左側に表示される項目の中から「すべてのツール」を選び、表示される項目の中から「コマース」を選択します。
次に、以下のようにコマースマネージャのページが表示されるので、「開始する」をクリックします。
販売方法を選択し、チェックを入れたら「開始する」をクリックし、次ページで「次へ」を選びます。
ショップの概要を確認して、画面右下の「次へ」をクリックします。
次の「ショップを作成」するページでは、配送可能な国を選び、ビジネス用のメールアドレスを入力したら、四角にチェックを入れて、画面右下の「設定を終了」をクリックします。
「コマースマネージャ」のトップページに遷移するので、「商品を追加」をクリックして、商品を登録しましょう。
アイテムを追加する際には、「手動」「データフィード」「ピクセル」の中から選び、チェックを入れて「次へ」をクリックします。
商品を登録する際には、「画像・タイトル・説明・ウェブサイトリンク・価格」を入力する必要があります。すべて入力したら、画面右下の「アイテムをアップロード」をクリックします。
次ページで商品の「公開/非公開」や「在庫の有り/無し」、商品の色・サイズなど複数のパターンがある場合は「バリエーション」を設定し、画面右下の「完了」をクリックしたら商品登録完了です。「アイテムがカタログに追加されました」と表示されます。
商品を登録すると、カタログにアイテムが追加されます。
7.インスタショッピング機能の申請を行う
次に、インスタのアプリで、ショッピング機能の申請を行いましょう。
プロフィール画面の右上にある三本線をタップし、表示される項目の中から「設定とプライバシー」を選択します。
次ページで表示される「ビジネス」から「Instagramショッピングを設定する」を選んで、次画面で「スタート」をタップします。
インスタのアカウントと連携させるFacebookページを選択する画面が表示されるので、該当するページにチェックを入れて「次へ」を押します。先ほど作成したカタログが表示されるので、選択して画面下部に表示される「次へ」をタップしましょう。
ネットショップやECサイトのURLを記入した後、ショップの詳細データを確認したら、「審査を申請」をタップして、申請完了です。審査期間は約1週間かかります。
8.審査通過後はタグを追加する
審査に通過したら、インスタのプロフィールの上部に「Instagramで製品をタグ付け」と表示されるので、「スタート」をクリックすることですべての設定が完了します。
ストーリーズや投稿にもインスタのショッピング機能を設定し、有効的に活用しましょう。
インスタショッピング機能を活用する際の注意点
インスタのショッピング機能を活用する際に、注意すべき点について解説します。
利用できる国が限られている
インスタのショッピング機能は、利用できる国が限られていることを覚えておきましょう。
日本は利用可能ですが、中国などは対象外です。海外向けのECサイトを運営している、もしくは運営しようと考えている場合は、あらかじめターゲットとなる国で利用できるかどうかを確認しておく必要があります。
販売できない商品がある
インスタのショッピング機能では、販売できない商品がある点に注意が必要です。具体的には、以下の商品の販売が禁止または制限されています。
《禁止》
- 医薬品
- タバコ製品
- 成人向け製品
- 使用済みの化粧品
- 動物
- アルコール
- デジタルコンテンツ
《制限》
- クーポンやギフトカード
- イベントチケット
- ペットの里親マッチングサービス
制限されている商品を扱う場合には、審査に通らない可能性が高いことも覚えておきましょう。さらに詳細を知りたい方は、メタ社の「利用規約とポリシー」をご確認ください。
インスタショッピング機能を活用する企業3選
最後に、インスタショッピング機能を実際に活用している企業を3つ紹介します。
Francfranc(フランフラン)
インテリア・家具ショップの「Francfranc(フランフラン)」は、2024年6月時点で89.9万のフォロワーがいるインスタアカウントを運営しています。
商品単体の画像を投稿するのではなく、複数のアイテムをコーディネートした画像や、色彩を合わせた画像が投稿されているのが特徴です。商品購入後の利用シーンが想起しやすいため、購買意欲を促進する効果があります。
シーズンや季節に合わせて「旅行アイテム○選」などの特集を企画し、ニーズを反映した投稿が多いのもポイントです。さらにショッピング機能を設定することで、購買数向上が期待できます。
fifth(フィフス)
出典元:@fifth_store
ファストファッションブランドの「fifth(フィフス)」は、2024年6月時点で85.9万のフォロワーがいます。プロフィール画面には「クーポン配布」の文言とともにショップのURLが記載されており、気軽に購入しやすい導線が作られているのがポイントです。
また、商品の画像だけではなく、モデルの身長や商品の特徴などの説明が記載されており、ユーザーが参考にしやすい投稿となっています。動画が多く投稿されているのも特徴です。購入するのを悩むユーザーの背中を押し、高い購買促進効果が見込める一例です。
RMK(アールエムケー)
出典元:@rmkofficial
RMK(アールエムケー)は、日本のコスメブランドです。2024年6月時点で39.9万のフォロワーがいます。
RMKは洗練されたデザインで商品のインパクトを強く残すような投稿が多く、ブランドの世界観を演出しています。インスタのショッピング機能では、一つの投稿に複数のアイテムをタグ付けできますが、RMKの場合はほとんどの場合、一つの投稿に一つのアイテムがタグ付けされています。
簡潔な投稿でユーザーにわかりやすく商品の魅力を伝えるだけでなく、ブランドの世界観の醸成にもうまくSNSを活用している一例です。
まとめ
本記事では、インスタショッピング機能に関する基礎知識や導入メリット、設定方法などを解説しました。
SNSの中でも画像や動画の投稿に特化し、ビジュアルを強みとするインスタは、ユーザーの購買意欲を刺激しやすいという強みがあります。意欲が高いままユーザーを購入ページへと誘導できることから、購買数の向上が見込めるほか、ブランドの認知拡大にも効果的です。
ECサイトで商品を販売する企業にとって、インスタのショッピング機能の活用は売上に大きく影響します。また、無料で利用できるので、活用するか迷われている方はまずお試し感覚で取り組んでみることをおすすめします。
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