2025.05.29
SNSマーケティング
シーディングマーケティングとは?効果と活用方法、実際の事例を紹介

シーディングマーケティングは、広告感を抑えつつ、口コミやレビューを通じて商品やサービスを広めるマーケティング手法です。SNSを通して、インフルエンサーや一般ユーザーが発信する自然な投稿を活用し、ブランド認知を高められます。
本記事では、シーディングマーケティングの基本や活用方法、効果的な実施ステップを紹介します。さらに、業界別の成功事例も紹介し、シーディングマーケティングがどのように実践されているのかを詳しく解説します。
目次
シーディングマーケティングとは?

シーディングマーケティングとは、口コミを通じて商品やサービスの認知拡大を図るプロモーション施策です。
英語の「seeding(種まき)」に由来し、インフルエンサーやメディアを通じて情報の「種」をまき、自然な形で拡散されることで、購買や話題化につなげる手法として注目されています。
ギフティングとの違い
シーディングマーケティングは、口コミの拡散を目的とした施策全般を指す言葉です。その手法のひとつがギフティングで、インフルエンサーに商品やサンプルを提供し、SNSなどで紹介してもらうマーケティング活動を指します。
つまり、ギフティングはシーディングに含まれる施策の一つで、特にインフルエンサーを活用したプロモーションを意味します。一方で、シーディングはより広い概念として使われます。
ギフティングについて、より詳しく知りたい方は以下の関連記事もあわせてご覧ください。
関連記事:【プロが解説】ギフティングとは?メリット・デメリットを徹底解説
シーディングが注目されている理由
シーディングマーケティングが注目されている背景には、「消費者の価値観の変化」と「口コミの重要性の高まり」があります。
近年では、企業による一方的な広告や押しつけ感が強いプロモーションよりも、共感や信頼を集めるインフルエンサーの発信を重視する傾向が強いです。
また、ミレニアル世代やZ世代を中心に、SNS上の情報の真偽を見極める力が高まっており、第三者のリアルな声である「口コミ」に、より大きな信頼を寄せるようになっています。
こうした背景から、自然な形で情報を広げられるシーディング施策の重要性が高まっているのです。
シーディングに活用される主要なSNSとその特徴

シーディング施策において活用される主なSNSと、各SNSの特徴や強みを紹介します。
Instagram|写真・ストーリーズでの拡散力が強み
出典元:Instagram
Instagram(インスタグラム)は写真や動画による直感的な訴求が可能なSNSで、特に若年層を中心に高い影響力を持っています。情報収集の手段としてInstagramを活用する人も多く、ハッシュタグ検索を通じて気になる商品やサービスを見つけるケースが増えています。
多くのインフルエンサーが活動しており、シーディングを通じて、自然な形で商品やサービスの口コミを広げるのに最適なプラットフォームです。
関連記事:Instagramマーケティングの始め方|戦略や成功事例をご紹介
X(Twitter)|リアルタイム性と拡散力の高さ
出典元:X
Xは、リアルタイム性と拡散力の高さが強みのSNSです。リツイート機能により、インフルエンサーの投稿や一般ユーザーの口コミが短時間で多くの人に届くため、話題化しやすい特性があります。
また、投稿にECサイトなどのリンクを添付することで、商品購入につながりやすい点が魅力です。匿名性の高さから本音の意見が集まりやすい一方、誤情報の拡散リスクには注意が必要です。
TikTok|Z世代への訴求力が高い
出典元:TikTok
TikTokは、Z世代を中心に人気を集める動画特化型SNSで、短時間のインパクトある動画で商品の魅力を伝えるのに適しています。全画面での再生により視聴への集中度が高く、エンゲージメントも得やすい点が特長です。
若年層に強い影響力を持つインフルエンサーも多く、シーディング施策によって自然な形で口コミが広まりやすい環境が整っています。テンポよく動画が流れる構造で拡散されやすい傾向にあり、認知度向上が期待できます。
関連記事:TikTokでバズる7つの方法とは?企業向けのメリットや具体的な施策
YouTube|レビュー・開封動画との相性が抜群
出典元:YouTube
YouTubeは、商品の使い方や効果を視覚的に伝えやすく、レビューや開封動画といったコンテンツと非常に相性のよいプラットフォームです。視聴者は動画を通してリアルな使用感やユーザーの反応を確認でき、コメント欄で口コミを共有できるのも特徴です。
インフルエンサーによる丁寧な紹介は信頼性が高く、視聴者の購買意欲を効果的に刺激します。他のSNSへの波及効果も期待できる点が大きな強みです。
関連記事:YouTubeを活用した企業の成功事例12選と成功するポイントとは
ブログ・その他|検索流入を狙う中長期施策として有効
出典元:note
ブログは、テキスト・画像・動画を自由に組み合わせて情報を詳しく伝えられるため、商品の魅力や使用感を中長期的に訴求するのに適した媒体です。また、検索エンジン経由での流入が見込めるため、SNSと連携することで拡散力も補完できます。
読者はじっくりと情報を得ることができるため、購買意欲の高い層へのアプローチに有効な施策といえるでしょう。
シーディングマーケティングが企業に支持される理由

なぜ多くの企業がシーディングマーケティングに取り組んでいるのか、その理由を5つのポイントにわけて解説します。
1. 広告感が薄く、受け入れられやすい
シーディングマーケティングの大きな特長は、広告らしさを感じさせず、押し売り感を抑えられる点です。
企業からの一方的な発信に敏感な現代の消費者に対しても、インフルエンサーによる日常に溶け込んだリアルな体験談であれば、宣伝と気づかれにくく、拒否感なく受け入れられやすくなります。営業感のないやわらかなアプローチが、ユーザーの関心を引き、信頼の獲得にもつながります。
2. 潜在層へのナチュラルなアプローチが可能
シーディングマーケティングは、これまでの広告では届きにくかった潜在層に対し、効率的に情報を届けられる点が魅力です。
ジャンルやライフスタイル、年齢層ごとに異なるフォロワーを持つインフルエンサーを活用することで、広告接点がなかったユーザー層にもアプローチが可能になります。適切な媒体と人選によって、興味関心の高い潜在顧客にリーチしやすく、販路拡大の起点としても効果的です。
3. SNS上での信頼と共感を獲得しやすい
消費者からの信頼を得やすいプロモーション手法としても、シーディングマーケティングは注目されています。企業が発信する情報は、消費者にとって自己利益が反映されていると感じられることが多いため、信頼を得るのが難しいケースも少なくありません。
しかし、シーディングではインフルエンサーやユーザーのリアルな声を通じて商品を紹介するため、消費者の共感を呼び、信頼を築きやすくなります。
4. 広告費の最適化が期待できる
シーディングマーケティングは、広告費の最適化が見込める手法としても有効です。従来の広告出稿に比べて費用を抑えつつ、インフルエンサーによるリアルな投稿や口コミによって商品認知を広げられます。
一度投稿された内容がSNS上で拡散されれば、追加の広告費をかけずに自然と情報が広まり、コストパフォーマンスの高いプロモーションが実現できます。限られた予算内で効果的な認知拡大を目指す企業にとって有用です。
5. 中長期のブランディングに効果的
ユーザーのリアルな声を通じて、商品やサービスのイメージを自然に浸透させられるのがシーディングマーケティングの特長です。中長期的なブランディングにも効果を発揮します。
また、企業からの一方的な発信ではなく、信頼性の高い口コミが拡がることで、ユーザーの間に共通したブランドイメージが定着しやすくなる点もシーディングマーケティングの強みです。時間をかけて価値観や世界観を共有できるため、継続的なファンの獲得にもつながります。
シーディングマーケティングを実施する具体的なステップ

シーディングマーケティングを行う手順について、5つのステップに分けて紹介します。
1. 自社の目的とターゲットを明確にする
シーディングマーケティングを効果的に行うためには、まず「何を達成したいのか」「誰に届けたいのか」といった目的とターゲットを明確に設定することが重要です。
ブランドの認知拡大なのか、商品の購入促進なのか、目的によって施策の方向性や選ぶインフルエンサーも変わってきます。目的とターゲットを曖昧にしたまま進めてしまうと、時間やコストがかかり、思うような成果を得られない可能性があるため、しっかりと取り組みましょう。
2. インフルエンサーを選ぶ|判断基準と探し方
次に行うのが、インフルエンサー選びです。インフルエンサーの選定が、シーディングマーケティングの成果を大きく左右します。単にフォロワー数が多いだけでなく、以下のような判断基準で相性を見極めましょう。
- ブランドや商品との親和性
- 過去の投稿内容や世界観の一致
- エンゲージメント率(いいね・コメント数など)
- オーディエンスの属性や反応傾向
- 情報発信の丁寧さ(投稿の編集やキャプションの工夫)
インフルエンサーを探す際は、SNS上で関連ハッシュタグや話題の投稿をチェックするほか、インフルエンサーマーケティングの支援ツールや代理店を活用する方法があります。ツールでは属性やエンゲージメントなどの詳細なデータをもとに効率よく候補を絞り込めます。
関連記事:インフルエンサーマーケティングで成果を出す秘訣や成功事例を解説
3. 提供商品を送付する
インフルエンサーとの契約が成立後、プロモーションしてもらいたい商品を丁寧に梱包し、発送します。発送時には住所などの個人情報を扱うため、取得方法や保管には細心の注意が必要です。
無形商材を提供する場合は、利用方法を明確に伝えることで、より的確に発信してもらえます。
4. 投稿依頼文の書き方と注意点
インフルエンサーへの投稿依頼文は、簡潔かつ丁寧に、自社の意図が明確に伝わるよう作成することが重要です。あいさつや依頼理由、紹介してほしい商品情報、希望の投稿媒体やハッシュタグ、期限などを盛り込みます。
また、誤解を避けるためにも「PR」などの明示を忘れず、ステルスマーケティング規制への配慮も欠かせません。送信前には必ず誤字脱字のチェックを行いましょう。
関連記事:ステマ規制とは?企業がSNS投稿をする際に気をつけるべきこと
5. 投稿後の効果測定と分析による振り返り
投稿完了後、効果を測定し、施策全体を振り返ることが大切です。エンゲージメント数や商品購入の動きなどを分析し、投稿内容やハッシュタグの有効性を検証しましょう。
インフルエンサー任せの自然な投稿が多くの共感を得た場合は、そのスタイルを今後の施策に活かすことも一つの戦略です。振り返りを通じて改善点を洗い出し、次回の施策につなげていくことで、成果の最大化を図れます。
シーディング施策を成功させるためのポイント

シーディング施策を成功させるために重要なポイントを紹介します。
インフルエンサーとの信頼関係の構築
シーディングマーケティングを成功させるためには、インフルエンサーとの信頼関係の構築が重要です。単なる一度きりの取引ではなく、継続的なパートナーシップを築くことで、より自然で説得力のある発信が期待できます。そのためには、インフルエンサーの個性や発信スタイルを尊重し、過度な指示や制約を避ける必要があります。
また、投稿後のフィードバックや感謝の意を伝えることで、双方の信頼を深め、次回以降の契約につなげることが可能です。良好な関係性を築くことで、ブランドの魅力がより効果的に伝わり、長期的な成果へと結びつくでしょう。
中長期戦略の設計
シーディングマーケティングで一過性の反響を狙うだけでは、持続的な成果にはつながりません。成果を最大化するには、中長期的な視点で戦略を設計し、ブランド認知や信頼の積み重ねを図ることが重要です。
明確な目的を定めたうえで、中長期の計画を立てて取り組むことで、結果として大きな成果につながります。
SNS運用代行と組み合わせて効果を最大化
シーディングの効果を最大化するには、自社アカウントのSNS運用も組み合わせることが有効です。インフルエンサーの投稿と連動して自社でも魅力的なコンテンツを発信すれば、認知拡大やエンゲージメントの向上が期待できます。
さらに、投稿のリポストやストーリーズでの紹介などを通じて、ユーザーとの接点を増やすことで、より自然な形で購買につなげる導線整備が可能です。
ユナイテッドアニマルズでは、インフルエンサーキャスティングサービス「STARLIA」を提供しています。タレントからマイクロインフルエンサーまでを独自の分析手法で選定し、フォロワー数や単価だけに頼らない丁寧な進行で、高い成果を実現します。
ご興味のある方は、「STARLIA」のサービスページをご覧ください。
業界別シーディング活用事例

最後に、実際にシーディングマーケティングに取り組んでいる企業の活用事例を紹介します。
アパレル業界|ユニクロ
引用元:なぐもふうか. 【速報】UNIQLOで買ってよかったもの。買うなら今!! – YouTube
アパレル業界の大手企業であるユニクロは、YouTubeを活用したシーディングマーケティングに成功しています。インフルエンサー「なぐもふうか」さんを起用し、季節やシーンに合わせたコーディネートを紹介する動画を制作。
なぐもさんは、YouTube、Instagram、TikTokで大きな影響力を持っているインフルエンサーで、フォロワーに向けてユニクロの商品を紹介しました。動画の概要欄には、紹介したアイテムの詳細とECサイトのリンクを追加することで、視聴者が興味を持った瞬間に購買意欲を高め、スムーズにオンラインで購入できる導線を確保しています。
フォロワーからの高評価を得るとともに、商品の購入促進につながった一例です。
チョコレートショップ「D’RENTY CHOCOLATE」
チョコレート専門店「D’RENTY CHOCOLATE」では、Instagramを活用したシーディングマーケティングを実施しています。都内のグルメ情報に特化したインフルエンサー・fluke_gourmet(2025年5月現在、フォロワー9.5万人)を起用し、期間限定POP UPイベントの魅力を発信しています。
リール動画の再生数は2025年5月現在で1.5万回を越え、認知拡大に貢献しました。あわせて自社アカウントでもブランドの世界観を丁寧に発信し、相乗効果によるファン獲得へとつなげています。
まとめ

本記事では、シーディングマーケティングの基本や活用方法、効果的な実施ステップ、実際の事例を紹介しました。
シーディングマーケティングは、インフルエンサーやSNSを通じて商品の認知度を高め、消費者の購買意欲を促進する手法です。企業にとっては、広告感が薄く受け入れられやすい点や、潜在層へのアプローチができる点などのメリットがあります。
適切にシーディングマーケティングを実施することで、ブランドの認知度向上だけでなく、持続的な顧客関係の構築にもつながります。
SNS運用代行・マーケティング支援なら
ユナイテッドアニマルズへ
ユナイテッドアニマルズでは、インフルエンサーのマネジメント・プロデュース・育成およびクライアント企業のマーケティング戦略立案・広告・宣伝支援を行っています。
また所属インフルエンサーによるプライベートブランドの開発、クライアント企業とのタイアップ商品開発、販売も行っています。
資料請求のご希望やご相談はお気軽にお問い合わせください。
資料請求・お問合せはこちら