インスタ採用を徹底解説！メリット・デメリット、運用手順や具体例もご紹介

近年、SNSでの採用活動が注目を集めています。特にInstagram（インスタグラム）を活用した「インスタ採用」では視覚的なアピールが手軽にできるため、新たな採用手法として有用です。

企業の雰囲気や働く人の姿をよりリアルに伝えられるインスタは、就活生の共感を得やすく、応募につながりやすい特徴があります。求人サイト・紙媒体・就活ナビなどを活用しても応募数が伸びず、自社が求める人材が見つからない場合はインスタ採用を取り入れると良いでしょう。

本記事では、インスタ採用のメリット・デメリット、運用手順やコンテンツ作りの具体例などを詳しく解説します。インスタ採用は、やみくもに投稿を続けても成果が出づらく、運用効果を感じられないという方も少なくありません。自社の採用活動にうまく活用できるよう、ぜひ参考にしてください。

1 インスタ採用とは
2 採用アカウントの役割
3 インスタ採用のメリット
4 インスタ採用のデメリット
5 採用アカウントの運用手順とポイント
6 インスタ採用のよくある失敗と対処法
7 コンテンツ作りの具体例
8 まとめ

インスタ採用とは

インスタ採用は、SNSの「Instagram（インスタグラム）」を活用した採用手法です。就活ナビサイトなど従来の求人媒体とは異なり、視覚的なコンテンツを通して企業の雰囲気や職場環境、社員のリアルな声を発信できます。特にZ世代を中心とした若年層にとって、SNSは日常的に利用する身近なツールのため、従来の採用手法と比べてより効果的なアプローチが可能となります。

採用アカウントの役割

採用アカウントは、採用活動に関する情報や職場環境などを発信しながら企業の価値観を伝えるだけでなく、ユーザーとコミュニケーションを図る場としても活用できます。

そのため、インスタ採用を行う際には自社の企業アカウントで発信せず、採用活動用のアカウントを個別に開設することが重要です。インスタ採用を円滑に進められるよう、ターゲットを就職活動中のユーザーに絞りましょう。

インスタ採用のメリット

採用活動にインスタ採用を取り入れる主なメリットは、以下の5つです。

・他の採用手法と比べて発信しやすい
・認知から応募までカバーできる
・ファン化が狙える
・ブランディング効果も期待できる
・視覚的なアピールが可能になる

それぞれ詳しく解説します。

他の採用手法と比べて発信しやすい

スマホから手軽にアカウント開設・更新ができるインスタは、就活ナビや採用サイトに比べて発信しやすく、運用の手間がかかりません。また、ハッシュタグや位置情報などの機能を利用することで、関心のあるユーザーや関連する地域・年齢層に向けたアプローチも可能です。

関連記事：就活のナビ離れが加速中！原因や新たな採用チャネルを企業向けに徹底解説

認知から応募までカバーできる

インスタは単なる求人情報の発信にとどまらず、応募などの行動を促すための導線としても非常に有用です。例えば、プロフィールのリンク欄や「ストーリーズ」という発信方法を活用すれば、インスタからエントリーページへの遷移が可能となります。採用アカウントの発信を見た就職活動中のユーザーが企業を認知し興味関心を持つだけでなく、応募までの流れが自然に作れる点はインスタ採用の大きな魅力と言えます。

ファン化が狙える

インスタ採用は、ファン化が狙えるというメリットもあります。採用活動としての発信から、企業の商品やサービスに対しての認知・拡散につながる場合も少なくありません。そのため、インスタからの発信を継続していくことで企業に好感を持つユーザーが増え、自然とファンになっていく可能性が期待できます。

ブランディング効果も期待できる

写真や動画がメインとなるインスタでは、投稿の見せ方や戦略次第でブランドイメージを強く印象づけることが可能です。ブランディングの強化は、ターゲット層である就職活動中のユーザーに対して信頼感を与えやすく、エントリーの増加につながります。
また、採用だけでなく企業全体の認知拡大やイメージ向上にも効果を発揮するでしょう。

視覚的なアピールが可能になる

前述のように、インスタは写真や動画がメインのSNSです。文章だけでは伝えづらい情報を視覚的にアピールできるため、職場の雰囲気やイベントの様子など、企業の魅力を最大限に伝えられます。さまざまな写真や動画を使い、就職活動中のユーザーが「この企業で働きたい」と思うような投稿を意識してください。

インスタ採用のデメリット

インスタを活用した採用には、いくつかのデメリットもあります。

・アカウント運用の知見やスキルが求められる
・長期的な運用が必要になる
・投稿用の素材を用意しなければならない

採用手法としてインスタ採用を検討している方は、メリットだけでなく、デメリットも理解しておくことが重要です。

アカウント運用の知見やスキルが求められる

インスタのアカウント運用には、一定の知見やスキルが求められます。

・投稿ごとに適切なハッシュタグを選定する
・ストーリーズやリールなどをうまく使い分ける
・インサイトを活用した分析を実施する

効果的に運用するには上記のような作業をこなす必要があり、インスタ運用に慣れていない場合には注意が必要です。

長期的な運用が必要になる

インスタ採用を成功させるには、発信を継続し長期的に運用していく必要があります。

情報発信の継続はもちろん、ユーザーとのコミュニケーションを続けることも重要です。そのため、日常業務と並行して運用を行うには相応のリソースが足りないという企業も少なくありません。

投稿用の素材を用意しなければならない

インスタは写真や動画がメインとなり、投稿するためには素材を準備しなければなりません。社内に撮影や編集を得意とする人材がいない場合は、外部への依頼を検討する必要があります。
インスタ採用を行う際には、事前に人材確保やコスト面での負担も考慮しておくと良いでしょう。

採用アカウントの運用手順とポイント

採用アカウントを運用するための手順とポイントを解説します。無計画のままアカウント運用を始めてしまっては、インスタ採用の効果を発揮しきれません。

それぞれのポイントを参考にし、自社のアカウント運用に活かしてください。

アカウントを作成

始めに、採用専用のアカウントを用意します。
専用アカウントにすることで運用目的が明確になるだけでなく、就職活動中のユーザーが必要な情報を収集しやすくなります。そのため、すでに自社の公式アカウントを運用している場合でも、新たに採用アカウントを開設することがおすすめです。

戦略設計

アカウントの準備ができたら、戦略を設計します。戦略設計は採用アカウントの運用をスムーズに行うために重要なポイントです。

・ターゲットとなる人材像
・アカウントのコンセプト
・投稿スケジュール

などを明確に定めておきましょう。

特に「ターゲットとなる人材像」はできる限り具体的に決めておくことがおすすめです。

また、より効果的なアカウント運用が実現できるよう、自社の強み・特徴・採用情報などをどのように打ち出していくか事前に整理してください。

コンテンツを企画

戦略設計をもとに、どのような投稿がターゲットの関心を惹きつけるのか考え、コンテンツを企画していきます。コンテンツはひとつのパターンに限らず、シリーズ化できるような企画を多数用意すると良いでしょう。

後述の「コンテンツ作りの具体例」で具体的な企画内容をご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

投稿の作成

投稿する写真または動画に合わせてキャプションを作成し、適切なハッシュタグを選定します。

ブランドイメージを印象づけるためにも、視覚的な統一感を意識することがおすすめです。使用する写真や動画は画質の良いものを選んでください。キャプションでは「誰に向けた内容なのか」「何を伝えたいのか」を意識します。長すぎる文章は避け、箇条書きや絵文字を適度に取り入れて見やすくまとめます。

また、投稿の拡散を狙うためには適切なハッシュタグの選定が重要なポイントです。自社に関連するタグだけでなく、地域に関連するタグ、就職活動中や求職中のユーザーが検索しやすいタグなども有効です。

エンゲージメントを強化

インスタ運用において、ユーザーとの関係構築は必要不可欠です。
「ユーザーの声に応える企業である」と認識してもらえることは、エンゲージメントの強化につながります。

・ユーザーからのコメントやDMにきちんと対応する
・リポストやいいねを活用し、ユーザーと関係性を深めるきっかけをつくる
・フォロワーに向けてキャンペーンを実施する
・アンケート機能や質問スタンプなどを使ってコミュニケーションを図る

など、双方向のコミュニケーションを意識しましょう。

分析と改善

インスタ採用の効果を最大限に引き出すには、分析と改善が欠かせません。

インスタの「インサイト」という分析ツールを利用すれば、インプレッション（表示回数）や保存数、フォロワー数の変化、閲覧された時間帯などを投稿ごとに確認できます。インサイトをもとに、どのコンテンツが人気なのか、どの時間帯に投稿すると伸びるのかなどアカウントの状況を分析し、改善すべき点を把握してください。

投稿を振り返る作業は、月に1回などの決まったペースで実施することがおすすめです。

インスタ採用のよくある失敗と対処法

インスタ採用のよくある失敗として以下の3つが挙げられます。

・動画投稿を活用しきれていない
・定期的に分析していない
・ブランドイメージからかけ離れている

それぞれの、具体的な対処法をご紹介します。

動画投稿を活用しきれていない

写真と動画を投稿できるインスタですが、つい写真の投稿に偏ってしまうというケースも少なくありません。動画投稿に最適なストーリーズやリール投稿は、うまく活用することでエンゲージメントを高められます。

社内の様子を撮影するなどして、動きのあるコンテンツを積極的に取り入れてください。動画撮影が難しい場合には、スライドショーのように写真をつなげて動画にするのもひとつの方法です。

また、最近では企業がショートドラマを配信する手法も増えています。ショートドラマはユーザーの興味関心を強く惹きつける特長があり、若年層からも注目されています。採用活動にも活かせるコンテンツとして有用です。

定期的に分析していない

前述のように、インスタの運用にはデータを分析し改善を図ることが重要です。

定期的に分析を行わないまま運用を続けると、非効率的な投稿が増え、アカウントの質が低下する恐れがあります。また、改善の機会を逃すことでフォロワーや求人応募者が減ってしまう可能性もあります。

分析や見直しは最低でも月に1回以上実施すると良いでしょう。より効果的に運用できるよう、インサイトを毎月確認し、レポート化を継続してください。

ブランドイメージからかけ離れている

コンテンツの内容が企業のブランドイメージや自社の採用ターゲットに合っていない場合、就職活動中のユーザーに違和感を与えかねません。ブランドイメージとかけ離れた状態が続くと、企業に対する信頼性が低下する可能性があり注意が必要です。

デザインや言葉遣いはもちろん、コンテンツのジャンルや雰囲気なども含めて、アカウント全体をブランドイメージに合わせることがおすすめです。

コンテンツ作りの具体例

最後に、インスタ採用におけるコンテンツ作りの具体例をご紹介します。
自社のアカウント運用の参考にしてください。

社員紹介や社員インタビューを行う

実際に働く社員の姿を発信することで、企業の雰囲気をリアルに伝えられます。

・1日のスケジュールをインタビュー形式で紹介する
・「この会社を選んだきっかけ」「仕事のやりがい」などをテーマに、ストーリー性のあるインタビューを行う
・人事で働く社員や採用担当者を紹介し、親しみを持ってもらう

など、さまざまな視点から発信してください。

説明会の情報を発信する

応募への導線を確保するには、会社説明会やインターン募集の情報発信がおすすめです。視認性を意識し、申し込み方法や日程などの情報は画像で分かりやすくまとめます。

さらに効果を高めたい場合は、フィード投稿だけにとどめず、ストーリーズやリールでも告知をすることで、より多くのユーザーに情報を届けられます。ストーリーズでは、ワンタップで外部サイトに遷移できる「URLリンクスタンプ」を利用し、申し込みページへのアクセスを促すと良いでしょう。
また、イベント終了後に参加者の声や当日の様子を投稿することで信頼性が高まり、応募につながります。