インフルエンサーマーケティング

Instagramのタイアップ投稿とは?ブランドコンテンツのやり方とポイントを解説


Instagramのタイアップ投稿は、インフルエンサーを起用したマーケティング施策です。
商品(サービス)の認知度アップや、購入を促す効果が期待できます。

タイアップ投稿にはさまざまなメリットがありますが、必要な設定など、詳しいやり方が分からず活用できていない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、タイアップ投稿の実施手順やポイントを解説しています。Instagramでタイアップ投稿を始めたい方や知識を深めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

Instagramのタイアップ投稿(ブランドコンテンツ)とは


タイアップ投稿は、Instagramにおけるブランドコンテンツのひとつです。
企業とインフルエンサー(インスタグラマー)が提携し、インフルエンサー側の投稿として商品やサービスのPRを行います。

インフルエンサーの発信で、@から始まるユーザーネームの下部に「タイアップ投稿」と表示されている場合は、ブランドコンテンツの設定がされた投稿です。

Instagramのブランドコンテンツは2タイプに分けられる

Instagramのブランドコンテンツは「ブランドコンテンツ広告」「タイアップ投稿ラベル」に分けられます。

それぞれの違いは以下のとおりです。

ブランドコンテンツ広告

ブランドコンテンツ広告は、インフルエンサーがInstagramで作成した投稿を、企業が広告として配信できる宣伝方法です。広告でありながらも、ユーザーにより近い立場であるインフルエンサーの視点で自社の商品やサービスを紹介できます。

ブランドコンテンツ広告で配信された広告は、投稿内に「広告」の表示が入り、キャプション部分にはタイアップ投稿であることが表示されます。

タイアップ投稿

タイアップ投稿は、インフルエンサーが自身のアカウントで、企業の広告を行う宣伝方法です企業とインフルエンサーの関係性がわかるという点は、ブランドコンテンツ広告と同じです。

投稿画面に企業名が表示される「タイアップ投稿ラベル」を使用することで、インフルエンサーのフォロワーや、そのインフルエンサーに興味のあるユーザーへアプローチできます。

タイアップ投稿の強み

Instagramを活用したPR施策において、タイアップ投稿で発信する強みとは具体的にどのようなことが挙げられるでしょうか。

5つの強みを詳しく解説していきます。

PRであることが明確

タイアップ投稿は、投稿内で企業とインフルエンサーの関係性が示されているため、PR投稿であることが明確です。

近年、SNS上のステマ(ステルスマーケティング)が問題視されており、2023年10月にはステマに関する規制が厳しくなりました。

宣伝や提供品と分かりにくい曖昧な投稿の場合、ユーザーにステマと誤解されてしまう可能性が高まります。一方で、PRであると明確なタイアップ投稿の場合、ステマと誤認識されるリスクも少なく安心です。

自社のアカウントへ誘導できる

タイアップ投稿では、提供元である企業のアカウントをタグ付けできます。

多くの人に自社アカウントを見てもらえるよう、Instagramのメンション(特定のアカウントを紹介する機能)を活用し、興味関心を促しましょう。

投稿の分析が可能

広告を依頼した企業も投稿の分析結果を確認できるという点は、タイアップ投稿の強みです。Instagram公式の分析ツール・インサイトを確認し、データ分析に役立ててください。

InstagramなどのSNSマーケティングにおいて、投稿分析や成果の確認をすることは非常に重要です。PR施策をより効果的にするためにも、分析の実施をおすすめします。

インフルエンサーの影響力を活かせる

企業からの発信に比べ、インフルエンサーからの発信は広告感が薄く、ユーザーの心により響きやすい特長があります。

具体的な影響として

  • 認知度(知名度)向上
  • ユーザーの購買欲を高める

などが挙げられます。

インフルエンサーの影響力を最大限に活かすためには、依頼先の選定が重要なポイントです。タイアップ投稿で紹介したい商品(サービス)にしっかりマッチするインフルエンサーを選定しましょう。

関連:【企業向け】インフルエンサーマーケティングのメリット・デメリット、気になる依頼費用を徹底解説

エンゲージメント率が上がりやすい

タイアップ投稿には、エンゲージメント(その投稿に対するユーザーの反応)が上がりやすいという強みもあります。発信者のフォロワーへ向けてダイレクトに発信できるため、インフルエンサーのファンや、普段から投稿に興味関心を持っている人の反応が必然的に多くなります。

また、エンゲージメント率の良い投稿=いいね・保存・コメントなどが多い投稿は、Instagram内で質の高い投稿と評価されます。質の良い投稿は発見タブ(おすすめ投稿)に上がりやすくなるので、エンゲージメントを意識することもおすすめです。

タイアップ投稿のやり方

タイアップ投稿のやり方、Instagramでの設定方法など、企業が行うべき項目は以下のとおりです。

  • 事前準備をする
  • プロアカウントに切り替える
  • インフルエンサーを事前承認する

事前準備

自社のターゲット層に合うインフルエンサーを選定し、タイアップ投稿の依頼をします。
依頼の際には契約に関する事項の確認も必要です。

以下の項目を参考にしてください。

  • 報酬
  • 投稿期限
  • 掲載しておく期間
  • ブランドコンテンツ広告での利用可否
  • 投稿内容のイメージ

事前にすり合わせをすることで、投稿までの流れがスムーズに進められます。

アカウントの切り替え

タイアップ投稿を行うためには、プロアカウント(ビジネスアカウント)への切り替えが必要です。
自社で運用しているInstagramアカウントが個人アカウントの状態であれば、手順に沿って切り替えをしてください。

【プロアカウントへの切り替え手順】

1. プロフィール画面右上のメニューアイコン( 三 のマーク)を開く

2.「設定とプライバシー」をタップ

3.「アカウントの種類とツール」をタップ

4.「プロアカウントに切り替える」をタップ

5.「次へ」をタップ

6.  クリエイター/ビジネスを選択し「次へ」をタップ
企業で運用するアカウントは、ビジネスアカウントでの使用が最適です。

7. 画面の指示に従い完了

ブランドコンテンツツールから事前承認

ビジネスアカウントへの切り替えが完了したら、インフルエンサーを事前承認しておきましょう。
対象者を事前に承認しておくことで、タイアップ投稿を作成するインフルエンサー側の設定がスムーズになります。

【インフルエンサーアカウントの承認手順】

1. ホーム画面の右上にあるメニューアイコン( 三 のマーク)を開く

2. 歯車アイコン「設定とプライバシー」をタップ

3. 「ビジネスツールと管理」をタップ

4. 「ブランドコンテンツ」をタップ

5. 「コンテンツクリエイターを手動で承認」をONにし、「コンテンツクリエイターを承認」をタップ

6. インフルエンサーのアカウントを検索し、承認をタップ →承認済みの表示に変わったら完了

インフルエンサー側の設定と投稿手順

インフルエンサー側の画面からは、投稿をする際にタイアップ投稿ラベルの追加を行います。この設定がされていない状態では、ブランドコンテンツであることが明記されないため注意が必要です。

フィード投稿、ストーリーズ投稿、リール投稿、それぞれの設定方法を解説します。
タイアップ投稿を始めて行う際は、先にブランドコンテンツツールからタイアップ投稿ラベルを有効にしてください。

【タイアップ投稿ラベルを有効にする】

1. プロフィール画面の右上にあるメニューアイコン( 三 のマーク)を開く

2.「設定とプライバシー」をタップ

3.「クリエイターツールとコントロール」をタップ

4.「ブランドコンテンツ」をタップ

5.「ブランドコンテンツツールを設定」をタップ

6.「有効にする」をタップ

7.「完了」をタップ

上記の設定を済ませると、フィード・ストーリーズ・リール、それぞれの投稿画面へタイアップ投稿ラベル追加の項目が表示されるようになります。

それぞれの投稿画面で行うタイアップ投稿ラベルの追加手順は、以下のとおりです。

フィード投稿の場合

タイアップ投稿の設定は、投稿の準備を済ませた状態で行います。普段の投稿と同じように、タイアップ投稿で発信する内容を先に作成しておきましょう。

投稿の準備ができたら、以下の手順で設定します。

1. 新規投稿画面のキャプション入力欄下部にある「タイアップ投稿ラベルを追加」をタップ

※「タイアップ投稿ラベルを追加」の項目が出てこない場合、アカウントタイプが個人用アカウントの可能性があります。アカウントの切り替えにある手順を参考に、プロアカウント(クリエイターアカウント)へ切り替えして再度試してみてください。

 

2. タイアップする企業のアカウントを検索して「追加」をタップ

3.「次へ」を選択

4.「ブランドパートナー」の項目に対象の企業アカウントが表示されていれば完了

ストーリーズ投稿の場合

フィード投稿と同様、先にタイアップ投稿として発信するストーリーズ投稿を作成しておきます。

1. ストーリーズ作成画面の上部左側にあるタグアイコン(人型のマーク)をタップ

2.「タイアップ投稿ラベルを追加」をタップ

3. タイアップする対象の企業アカウントを検索して「追加」をタップ

4.「次へ」を選択

5.「ブランドパートナー」の項目に対象の企業アカウントが表示されていれば完了

リール投稿の場合

リール投稿では、フィード投稿と同じ手順でタイアップ投稿ラベルを追加できます。

発信するリール動画を準備し、フィード投稿と同じように「新規投稿」画面の下部より設定してください。

投稿の分析方法

タイアップ投稿は、インフルエンサーだけでなく企業側もインサイトの閲覧が可能です。投稿を終えたら、そのインフルエンサーを起用したことによる成果も含め、インサイトを確認して分析を行います。

分析すべき指標例

タイアップ投稿の分析には、どのような指標を確認すれば良いのでしょうか。
指標例を紹介しますので、分析時の参考にしてみてください。

・インプレッション数
インプレッション数は、投稿が表示された回数を表しています。
自社商品(サービス)の認知度アップを図るためにも、どれほどのユーザーが投稿を目にしたのか把握しておきましょう。

・いいね数
ユーザーが手軽にできるアクションのひとつです。
多くのユーザーが「いいね」を押した投稿は、発見タブ(おすすめ投稿)や検索結果の上位に表示されやすくなります。

・保存数
ユーザーが投稿を保存する場合の多くは、その投稿がユーザーにとって有益であると考えられます。
投稿をまた見返したい・その商品(サービス)の利用を検討している・魅力を感じているなどの可能性が高く、今後の施策へ活用するのに重要な項目です。

・コメント内容
ユーザーの感想や意見を実際に確認できる場として役立ちます。
ポジティブなコメントだけでなく、場合によってはネガティブな意見があるかもしれません。今後の改善にもつながるため、コメントはすべて確認することがおすすめです。

インサイトはFacebookから確認できる

Instagramのブランドコンテンツを利用した際、分析に必要なインサイトはFacebookのMeta Business Suite(Metaビジネスマネージャ)から確認が可能です。
前述した指標例を参考に、タイアップ投稿のインサイトを分析して成果を確認しましょう。

参考サイト:Instagramインサイトについて | Metaビジネスヘルプセンター

タイアップ投稿の効果を上げるためのポイント

タイアップ投稿をより効果的に行うためには、以下の2つのポイントを押さえておくことがおすすめです。

  • 投稿方法の使い分け
  • インフルエンサーの選定

詳しく解説していきます。

フィード、ストーリーズ、リールを上手く使い分ける

Instagramの投稿には、フィード投稿、ストーリーズ、リール動画の3種類があります。それぞれの違いや特長を理解し、自社が求める効果に合わせて投稿方法を検討しましょう。

【フィード投稿】
Instagramにおいて基本となる投稿です。
1つの投稿で、写真または動画を10枚までまとめて投稿できます。

活用例

衣服のPRで、全体を撮った写真・柄や素材感がわかるようアップで撮った写真・インフルエンサーが実際に着用した動画を1つの投稿へまとめて発信するなど。
【ストーリーズ】
24時間経つと自動的に削除される投稿です。
写真や動画はもちろん、テキストのみでも作成できます。また、音楽・スタンプ・アンケートや質問・リンクなどを追加することもできるので、PR投稿にも便利です。

活用例

自社のオンラインショップで開催される期間限定イベントのお知らせをタイアップ投稿で行う場合など。
※24時間経つとストーリーズの一覧からは自動的に削除されますが、ハイライト機能を使用しプロフィール画面へ残しておくこともできるので、ぜひご活用ください。
【リール】
ショート動画の投稿です。
複数のクリップをつなぎ、最大90秒の動画を作成できます。Instagram内のクリエイティブツールを使って簡単に作成できるのも魅力です。

活用例

家電やコスメの使用方法を音声付きで紹介してもらうなど。

自社商品に合うインフルエンサーを選定

依頼するインフルエンサーの選定も重要です。
フォロワー数が多い=効果が得られるとは限らずPR商品(サービス)に合ったアカウントかを見極める必要があります。

  • フォロワーの年齢層や性別
  • 普段の投稿内容
  • ネガティブ要素はないか

といった点をあらかじめ確認し、選定時の参考にしてください。

タイアップ投稿がうまくいかない場合の対処法

「タイアップ投稿ラベルの表示がされない」のように、タイアップ投稿がうまくいかない場合、どう対処すれば良いのでしょうか。

設定の確認を行う

タイアップ投稿がうまくいかない理由として、正しく設定されていないことが挙げられます。企業側・インフルエンサー側ともに、ブランドコンテンツツールの設定を再確認してみてください。

Instagramでは、PCからログインして設定できる項目もありますが、PCでは一部操作できない設定もあります。タイアップ投稿の設定を行う際は、スマホからの操作がおすすめです。

Instagram運用代行会社へ依頼する

「設定をやり直したがうまくいかない」「何が原因か分からない」など、どうしてもスムーズに実施できない場合は、Instagram運用代行会社への依頼がおすすめです。

施策実施までにかかる時間や、Instagram運用に必要な人員の確保についても、専門知識を持ったプロに相談することで解決します。

また、Instagram運用代行会社は、アカウント分析や投稿分析など、戦略面でも強い味方です。「設定はできたものの、分析方法が分からない」という場合にも活用してみましょう。

まとめ

本記事では、タイアップ投稿のやり方・どのような強みがあるのか・Instagram画面の設定方法、タイアップ投稿の効果を上げるポイントなどを解説しました。

Instagramマーケティングにおいて、タイアップ投稿は通常の広告よりも効果が期待できる施策です。
うまく活用することで、自社商品やサービスのPRをユーザーに近い目線で発信でき、かつPRであることを明示できます。

自社のターゲット層に合ったインフルエンサーを起用し、効果的なタイアップ投稿を実施してください。

この記事の監修者

菊地 里奈

株式会社ユナイテッドアニマルズにて広報PR、SNS投稿素材の制作を担当。 インフルエンサーマーケティング業務にも従事する。 複数企業のSNS運用にもプランナーとして、制作から運用までサポートを行い、SNSマーケティング全般を守備範囲とする。

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ユナイテッドアニマルズでは、インフルエンサーのマネジメント・プロデュース・育成およびクライアント企業のマーケティング戦略立案・広告・宣伝支援を行っています。

また所属インフルエンサーによるプライベートブランドの開発、クライアント企業とのタイアップ商品開発、販売も行っています。

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