2025.04.30
SNSマーケティング
【和菓子・洋菓子店】SNS運用方法を解説!基本戦略や成功事例も紹介

近年、消費者ニーズの多様化やオンラインショッピングの普及に伴い、和菓子店や洋菓子店には新たな集客戦略が求められています。
特に、視覚的な魅力が重視されるSNSは、注目度の高い手法の1つです。華やかな見た目のお菓子とは相性が良く、効果的な投稿やキャンペーンを行うことで、認知度向上や売上の増加、ファンの獲得といった多くのメリットが期待できます。
本記事では、SNSを活用した効果的な運用方法を4つのステップで解説し、具体的なマーケティング戦略や成功事例を紹介します。
目次
和菓子店・洋菓子店にSNS運用が必要な理由

まずはじめに、和菓子・洋菓子店にSNS運用が必要な理由について解説します。
消費者のニーズの変化
近年、健康志向や自分へのご褒美、贈り物としての需要、そしてSNS映えなど、消費者の価値観が多様化しており、和菓子や洋菓子に求められるニーズも変化しています。若い世代の間では、「体にやさしい素材のスイーツ」や「写真を撮りたくなる美しい見た目」のお菓子への関心が高まっており、贈り物や自分へのご褒美として選ばれることが増えています。
こうしたニーズに応えるためには、SNSで写真や商品の魅力を発信することが効果的です。SNS運用を通じて、新たなファンを獲得しやすくなり、既存の顧客層に加えて幅広い層へのアプローチが可能になるため、SNSの重要性はますます高まっています。
競合の多様化
コンビニやスーパーマーケット、量販店、オンライン専門のスイーツ店など、和菓子・洋菓子店の競合が多様化しているのも、SNS運用が必要な理由の一つです。近年はSNSや通販サイトを活用したブランドも台頭し、全国・海外への販路拡大が進むなど、グローバルな競争環境も広がっています。
こうした状況の中で、自店の強みを明確にし、商品の魅力やこだわりをSNSで発信することが差別化につながります。特に視覚的に訴求できるSNSは、店舗の世界観や価値を伝えるのに効果的です。
オンラインショッピング(EC)の浸透
近年、スマートフォンの普及やECサイトの充実により、オンラインショッピングが日常化しています。スイーツの購入も例外ではなく、自宅にいながら全国の人気店の商品を注文できる環境が整ってきました。
こうした流れの中で、和菓子・洋菓子店も実店舗だけでなく、オンライン上での情報発信や販売が重要になっています。SNSは、新商品や季節限定メニューの魅力をタイムリーに届けたり、通販サイトへの導線として活用できるため、集客や売上に大きく貢献します。
和菓子店・洋菓子店がSNSを運用するメリット

和菓子・洋菓子店がSNSを運用することで得られる4つのメリットを紹介します。
認知拡大
SNS運用は、和菓子・洋菓子店の魅力を広く発信でき、認知拡大につながる点がメリットです。たとえば、写真映えするスイーツを投稿したり、オリジナルのハッシュタグを用いたキャンペーンを実施することで、ユーザーが自発的に拡散してくれる可能性が高まります。
話題性のある投稿がバズれば、店舗名や商品名が一気に認知され、新たな顧客層との接点を生むきっかけにもなります。また、公式アカウントを通じてブランドの世界観やストーリーを継続的に発信していくことは、ファンの育成にも効果的です。
売上向上
SNSを活用することで、和菓子・洋菓子店の売上向上につながる可能性があります。商品写真と合わせて効果的なハッシュタグを活用すれば、より多くのユーザーの目に留まり、新たな購入機会創出が期待できます。
さらに、InstagramやFacebookといったSNSでは、訪日外国人観光客をターゲットにした広告配信も可能です。多言語対応の投稿やキャンペーンを行えば、インバウンド需要の取り込みにもつながるでしょう。
ただし、売上につなげるには一時的な施策だけでなく、継続的に発信を行い、フォロワーとの関係を深めていくことが大切です。
広告費削減
SNS運用のメリットは、低コストで自社の商品やサービスを効果的に宣伝できる点です。
SNSアカウントの開設は基本的に無料です。SNS広告を利用する場合は別途費用がかかることもありますが、口コミやシェアによる「バズる」効果を得られれば、従来の広告手段に比べてコストパフォーマンスが大幅に向上します。その結果、広告費を大きく削減できます。
また、菓子作り体験イベントなどを開催し、その様子をSNSでシェアすることで、参加者の口コミが広がるといったケースも期待できます。多くの参加者が体験をSNSに投稿することで自然と商品やサービスが広まるため、広告費をかけずに集客や認知拡大を実現できます。
顧客とのコミュニケーション強化
SNSの運用により、顧客とのコミュニケーションが強化できるというメリットもあります。投稿を通じて商品やサービスに関する情報を発信するだけでなく、フォロワーからのコメントやメッセージに直接応答することで、良好な関係を築けます。
また、ユーザーが投稿する商品の写真や体験談に対して「いいね!」やコメントを返すのも効果的です。顧客との距離を縮め、信頼関係を築ければ、ファン化や、顧客の自発的な宣伝活動につながります。
効果的にSNSを運用する4つのステップ

SNSを効果的に運用するためのステップを、4つに分けて解説します。
1.SNS運用の目的を明確化する
SNS運用を始める前に、目的を明確にすることが重要です。目的が曖昧なまま運用を進めると、効果的な施策が打てず、結果が出にくくなります。
認知拡大を目指すのか、売上向上を狙うのか、あるいは顧客との関係構築を重視するのか、目的によって運用方法や投稿内容は大きく異なります。たとえば、認知拡大が目的であれば、視覚的に魅力的な写真や動画の投稿や、ハッシュタグを活用したキャンペーンを積極的に実施することが重要です。
目的が明確になれば、ターゲット層の選定や投稿内容、キャンペーンの設計など、その後の取り組みをスムーズに進められます。
2.KGI・KPIを定める
SNS運用において、目標を達成するためにはKGI(Key Goal Indicator)と、KPI(Key Performance Indicator)を明確に設定する必要があります。
KGIは最終的な目標のことで、「SNS運用で何を達成したいのか」を明確にします。たとえば、「3か月以内にフォロワー数を10,000人に増やす」や「オンラインショップの売上を月間20%増加させる」などが一例です。
一方、KPIはKGIを達成するための中間指標で、日々の活動を評価する基準となります。たとえば、「1か月で投稿するコンテンツ数」や「月間エンゲージメント率」、「SNS広告のクリック率」などがKPIに該当します。
KGIとKPIは具体的な数字で設定することが重要です。明確に定めることで、運用の進捗を把握して必要な改善策を立てられ、目標達成に向けたより効果的な施策を実行できるようになります。
3.最適なSNSの選定
SNS運用を効果的に行うためには、最適なSNSプラットフォームを選定することが重要です。各SNSには特徴や得意分野があるため、自店のターゲット層に最も効果的にリーチできるものを選びましょう。
各SNSの特徴や強みは以下の通りです。
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X(Twitter) |
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YouTube |
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TikTok |
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LINE |
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自店のコンセプトやターゲットに応じて、どのSNSが最も効果的かを見極め、複数のSNSを組み合わせて運用することも検討しましょう。
4.運用体制の構築・ルールの設定
SNS運用を効果的に行うには、運用体制の構築とルールの設定が必要です。
まず、誰がSNSアカウントの運営を担当するのか、役割分担を明確にしましょう。担当者は、コンテンツ作成や投稿スケジュールの管理、ユーザーからのコメントへの対応など、具体的な業務を分担することが大切です。
次に、運用ルールを設定します。投稿頻度や内容のガイドラインを決め、ブランドイメージやトーンに合った情報を発信できるようにする必要があります。
また、ユーザーとのやり取りについても、適切な対応時間や返信内容に関する基準を設けると良いでしょう。運用体制を整えることで、運用がスムーズに進み、ブランドの一貫性を保ちながら効果的なSNS運用を実現できます。
和菓子店・洋菓子店の効果的なSNS戦略

和菓子・洋菓子店の効果的なSNS戦略について、7つの要素にわけて解説します。
ビジュアル重視のコンテンツ制作
和菓子・洋菓子店のSNS運用において、ビジュアルコンテンツは非常に重要です。魅力的な写真や動画は、視覚的にユーザーの関心を引き、ブランドの価値を効果的に伝えられます。特に、色鮮やかな和菓子や美しい洋菓子の写真は、SNSで注目を集めやすく、シェアされることで拡散効果が期待できます。
また、商品を紹介するだけでなく、食べるシーンや手作りの過程など、ストーリー性を持たせる工夫も必要です。特にInstagramなどの視覚的な要素が重視されるSNSでは、見た目の美しさがフォロワーの増加やエンゲージメント向上に直結します。
季節限定の商品や特別なイベントに関するタイムリーな写真・動画投稿は、ユーザーの関心を高める効果があります。
ハッシュタグの活用
InstagramやX(Twitter)、TikTokといったSNSを運用するには、ハッシュタグの効果的な活用が欠かせません。適切なハッシュタグを使うことで、ターゲット層にリーチする可能性が大きく広がります。
たとえば、「#和菓子」や「#ケーキ」「#スイーツ男子」といった親しみやすいハッシュタグを活用すれば、参加型の投稿を促し、ブランドの認知度を高められます。また、季節ごとのイベントや商品に関連する人気のハッシュタグの使用や、ブランド独自のハッシュタグを作成して、ユーザーが自発的に投稿するよう促すのも有効です。
さらに、トレンドに合わせたタイムリーなハッシュタグを使うことで、旬の話題に乗り、より多くのユーザーの目に留まる可能性も高まります。
関連記事:【企業向け】SNSハッシュタグキャンペーンの成功事例10選と効果的な実施方法
ライブ配信やストーリー機能の活用
SNSでのライブ配信やストーリー機能の活用は、商品やサービスの魅力をよりダイレクトに伝えることができます。
たとえば、ライブ配信で和菓子作りの過程を公開したり、新商品や季節限定商品をリアルタイムで紹介したりすることで、視聴者との交流は深まり、商品への関心を高めることが可能です。
また、ストーリー機能を使って、日々の営業風景やスタッフの紹介をすれば、フォロワーに親近感を与え、ブランドの信頼感を高める効果もあります。さらに、イベント情報などを発信することで、集客にもつながります。
関連記事:【企業向け】インスタライブ配信のやり方と成功事例を紹介
インバウンド向けの発信
訪日外国人観光客をターゲットにしたインバウンド向けの発信は、和菓子・洋菓子店にとって非常に効果的です。新たな市場や新規顧客の開拓が可能となります。
具体的には、外国人観光客に人気のあるハッシュタグの活用や、多言語での投稿を行うことで、より多くの人にリーチできます。
また、観光地やイベント情報と連携すれば、外国人観光客へより効率的なアプローチが可能です「和」の要素を強調した写真や動画を投稿するなど、日本独自の魅力をアピールすることも重要です。
オンラインショップとの連携
オンラインショップとの連携は、SNS運用において重要な戦略です。
たとえば、SNSで新商品やキャンペーン情報を発信する際に、オンラインショップへのリンクを掲載すれば、ユーザーがすぐに購入できる環境が整います。また、SNS限定のセールや特典を告知することで、フォロワーに特別感を与え、購買意欲を高められます。
SNSでのユーザーの反応を分析し、それをもとに商品のラインナップや販売戦略を見直すことで、より効果的な戦略や商品開発に役立てることも可能です。
SNS映えする体験の提供
SNS映えする体験を提供することは、和菓子・洋菓子店のSNS戦略において効果的な手法です。
具体的には、和菓子作り体験を開催し、職人の指導のもとで自分だけの和菓子作りを楽しんでもらうことで、自然とSNSに投稿してもらえます。自然な形での宣伝が可能になり、認知拡大や集客向上にもつながります。体験を通じて顧客との絆を強め、ブランドへの愛着を育てるのにも効果的です。
カラフルな練り切りやケーキなど、視覚的に魅力的な商品を作る体験を開催すると、特に若者層に人気が集まり、SNSでの拡散効果が期待できます。
キャンペーンの実施
特定のハッシュタグを使った投稿で抽選が行われるキャンペーンを実施すると、ユーザーが自発的に商品を紹介してくれるため、拡散力が高まり、より多くの人にリーチできます。また、フォトコンテストやクイズなど、ユーザー参加型のキャンペーンも人気があり、参加者の関心を引きつけることができます。
ハッシュタグに地域名や店舗名を含めたキャンペーンを実施することで、地元の顧客や観光客にもアピールでき、より広範囲にリーチ可能です。
【和菓子・洋菓子店】SNS運用の成功事例4選

最後に、洋菓子・和菓子店のSNS運用で参考になる、成功事例を4選ご紹介します。
和菓子店・本家菊屋
奈良県最古の和菓子店として知られる本家菊屋は、Instagramをうまく活用しています。400年以上の歴史を持つ本家菊屋は、見た目の美しい和菓子が特徴で、その魅力がInstagramとの相性が良く、視覚的な訴求力の高い写真を投稿しています。
「フォロワー1,000人達成プレゼントキャンペーン」などの施策により、若年層のフォロワー獲得に成功。これにより、以前届かなかった層に対しても新たな接点を作り、認知度を大きく向上させました。
さらに、催事出店時には、Instagramのストーリー投稿やハッシュタグを活用して、リアルタイムでの情報発信を行った結果、お客様から「投稿を見て訪れた」との声も。オンラインとオフラインをつなげる施策が効果を発揮しました。
和菓子店・元祖 鯱もなか本店
名古屋の老舗和菓子店「元祖鯱もなか本店」は、SNSを駆使して大きな反響を呼び、廃業寸前から見事な復活を遂げた一例です。
特に注目されたのは、「#和菓子離れ」の投稿がXで270万インプレッションを超え、SNSでムーブメントを巻き起こしたことです。
この拡散によって、ネット通販の注文が急増し、さらにはアイドルとのコラボ商品がヒットするなど、予想外の効果を生みました。SNSを活用した取り組みは、和菓子業界の「逆風」を吹き飛ばし、新たなファンを開拓する成功例となりました。
洋菓子店・cake&cafeGRüN
参考:Instagram cake&cafeGRüNアカウント
仙台市にある洋菓子店「cake&cafeGRüN」は、Instagramをうまく活用し、ユーザーとの信頼関係を深めながら、地元で人気店へと成長した成功事例です。アカウントでは、スイーツの紹介や販売告知、営業日のお知らせに加え、スタッフ募集や日常の様子も投稿されています。
特に、ドイツで購入したブタさんのクッキー型とそのエピソードを紹介するなど、ユニークで親しみやすいコンテンツが特徴です。また、店舗のメンションがついた投稿をストーリーでシェアするなど、ユーザーとの積極的な交流が見受けられます。投稿の丁寧さとコメントへの頻繁な返信が信頼を深め、Instagramを通じて有名人も訪れる人気店になっています。
また、投稿内には公式サイトへのリンクを設置することで、スイーツに興味を持ったユーザーがさらに詳しい情報を簡単に得られるようになっています。
洋菓子店・PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI
参考:Instagram PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI
「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」は、東京・等々力にあるパティスリーで、2015年11月からInstagramを活用したブランディングを開始。看板商品である美しいスイーツの写真を投稿し、ブランドの世界観をうまく表現しています。
その美しいビジュアルがメディア関係者の目に留まり、雑誌『婦人画報』の表紙を飾ることになりました。この影響でInstagramのフォロワー数は急増し、2025年4月時点で22万人を超えるフォロワーを抱えています。
また、同店はInstagramのストーリーズを活用して、スタッフが作ったまかない料理やスタッフ募集、山梨・塩山にある自社農園の様子や、季節イベントに関する情報などを定期的に発信しています。ブランドの世界観をより深く伝え、ファンの獲得や他店との差別化に成功している一例です。
まとめ
本記事では、SNSを活用した効果的な運用方法や、具体的なSNS戦略のポイント、成功事例を紹介しました。
SNSの運用は、和菓子・洋菓子店にとって、ブランド認知拡大や顧客との信頼関係構築、さらには売上向上のために欠かせない施策です。特に、魅力的な写真や動画は消費者の関心を引きつけます。
また、コメントへの返信や積極的なコミュニケーションは、顧客との距離を縮め、リピーターの獲得やファンの育成にもつながります。
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