2025.05.26
SNS運用
中小企業でSNS採用を導入するメリットとは?運用時のポイントや事例を解説
現在は優秀な人材を獲得するために、従来の求人媒体だけでなく、SNSを活用した採用事例も見られるようになりました。特に、中小企業は人材獲得に苦戦している企業も多く、SNS運用による効率的な採用活動が重要です。
しかし、一般的なSNS運用とは異なる注意点があるため、慎重な取り組みが必要です。本記事では、中小企業がSNS採用を導入するメリットやデメリット、採用成功に向けたポイントを解説していきます。
目次
中小企業がSNS採用を導入するメリット
人手不足が続く中、SNSを活用した採用活動は中小企業にとって多くのメリットがあります。一般的な求人媒体とも比較しながら、SNS採用のメリットを5つ解説します。
採用コストの削減
SNS採用の魅力の1つは、うまく活用すれば広告費や掲載費を抑えられる点です。従来の求人媒体や人材紹介サービスを利用する場合、1回の掲載で数十万円以上のコストが発生することもあります。
上記と比較すると、InstagramやXなどのSNSは、基本的に無料で使えるため、初期投資やランニングコストを軽減できます。また、社内で投稿内容を工夫することで、外部業者に頼らずとも一定の効果を上げることも可能です。コストをかけずに継続的に情報発信を行えるSNSは、採用予算が限られている中小企業にとって有効な手段です。
幅広い求職者へのアプローチが可能
SNSは利用者層が幅広く、大学生から社会人、さらには転職希望者や副業を探す人まで、多様なターゲットへのアプローチが可能です。特に、InstagramやTikTokは20代〜30代の若年層との親和性が高く、新卒採用や若手人材の確保に効果的です。
また、SNS上では自社の雰囲気や働き方を自然な形で伝えられるため、求人サイトだけでは伝えきれない企業の魅力をアピールできます。求人広告に反応しない潜在層にも情報を届けられる点は、SNSの大きな強みといえます。
企業の認知拡大につながる
SNSは採用活動だけでなく、企業のブランディングにも大きな効果を発揮します。自社の理念やビジョン、日々の業務や社員の様子などを発信することで、企業の存在を多くの人に知ってもらえる機会を創出できます。
また、一般的に中小企業の場合、大手企業よりも認知度が低いため、SNSを通じて知ってもらうことが大切です。SNSをうまく活用することで、継続的な発信を通じて企業の個性や魅力を伝え、応募者に「この会社で働きたい」と思ってもらえる関係性を築くことが可能です。
求職者とのミスマッチを防げる
SNSを通じてリアルな職場環境や社員の雰囲気を伝えることで、応募者とのミスマッチを防ぎやすくなります。求人広告だけでは伝えきれない社内の空気感や働き方、福利厚生の内容などを届けられるのがSNSのメリットです。
また、画像や動画を交えながら投稿することで、視覚的に企業のイメージを作り出せます。結果として、定着率の高い採用にもつながりやすく、中長期的な採用コストの削減にも貢献します。
導入ハードルが低い
SNS採用は、アカウントを開設すればすぐに始められるというハードルの低さも魅力です。SNS運用に関する専門的な知識がなくても、スマートフォン1つで投稿・運用が可能で、導入コストや人的リソースも最小限に抑えられます。
さらに、SNSの活用は他の業務と並行しながら取り組めるので、専任の担当者がいなくても社内で調整・分担することで運用が可能です。自社の強みや日常の風景を活かせる点も、中小企業にとってメリットとなります。
関連記事:【SNS運用の参考に】主要SNSの特徴や強みを比較。適切な使い分け方法
中小企業でSNS採用を導入するデメリット
SNSを活用した採用活動は中小企業でも比較的導入しやすい一方で、運用上の注意点もあります。SNS採用を導入するにあたって、どのようなデメリットがあるのか紹介します。
運用に手間と時間がかかる
SNS採用はコスト面では優れていますが、日々の投稿作成やコメント対応など、継続的な運用には一定の時間と手間が必要です。人員が限られている中小企業では、採用担当者が他の業務と兼任しているケースも多く、継続的な情報発信が難しくなることもあります。
また、投稿内容の企画、写真や動画の撮影・編集、分析や改善なども求められます。魅力的なコンテンツを継続して発信できなければ、フォロワーが増えず、採用効果も期待しにくくなる点は注意が必要です。
炎上リスクや企業イメージ悪化のリスク
SNSは拡散力が高く、不適切な投稿や誤解を招く内容があれば炎上しやすい可能性があります。何気ない投稿が社会的な批判を受けることもあり、企業イメージの低下や信頼の損失につながるリスクが存在します。
特に、採用目的のアカウントであっても、運用担当者のモラルや発信の判断ミスがトラブルを引き起こすこともあります。一方で、炎上を恐れるあまり発信内容が消極的になると、採用効果も得られにくくなるため、リスクマネジメントを意識したガイドラインの整備や、社内での情報共有が重要です。
関連記事:【企業向け】ソーシャルメディアポリシーの基礎|ガイドラインの策定法と留意点
求人ターゲットに届かないことがある
SNSは幅広い層に情報を届けられる一方で、狙ったターゲットに届かないという課題もあります。たとえば、特定の業種や年齢層の求職者がInstagramやTikTokをあまり利用していない場合、リソースを割いても成果が得られにくい点に注意が必要です。
また、アルゴリズムの影響で投稿がフォロワー以外に届きにくくなり、リーチを拡大するには、有料の広告出稿や投稿内容の工夫が求められます。1つのSNSに依存せず、さまざまな採用チャネルと組み合わせた戦略的な運用がポイントです。
中小企業のSNS採用におすすめの媒体
SNS採用を始める際には、どのSNSを活用するかが重要です。各SNSの特徴や、どのようなターゲットに対してアプローチしやすいのかを解説します。
出典元:Instagram
画像や動画がメインのInstagramは、企業の雰囲気や職場環境、働く人を伝えるのに最適なSNSです。主に20〜30代の若年層に強くアプローチが可能で、カルチャーや価値観を重視する求職者との相性がよいのが特徴です。
また、ストーリーズやリールなどを活用し、リアルタイムでの情報発信が行えます。視覚的な情報が伝えられるため、言葉だけでは伝えにくい職場の魅力を直感的に届けられる点が中小企業にとって強みとなります。
関連記事:Instagramマーケティングの始め方|戦略や成功事例をご紹介
X(Twitter)
出典元:X
Xは情報拡散力に優れており、少ない投稿でも多くの人に届く可能性があります。更新のハードルが低く、日常的な出来事や採用情報、社員紹介などをテンポよく発信できます。
他社の採用アカウントや業界関係者と交流しやすいのも特徴で、フォロワーとの距離が近い点も魅力です。タイムリーな話題と組み合わせて投稿することで、自然な形で企業の存在を知ってもらえるきっかけが増えるため、地道な発信が採用につながります。
関連記事:X(Twitter)でSNS採用を行うには?アカウント運用のコツや企業事例も紹介
TikTok
出典元:TikTok
TikTokはショート動画に特化したコンテンツを発信できるSNSで、エンタメ性の高い内容が求職者の関心を引きやすいのが特徴です。Z世代と呼ばれる10〜20代前半の若年層との親和性が高く、短時間でインパクトを与えられます。
たとえば、働く現場の様子や社員の一日をショート動画として紹介することで、親しみやすさや社風を直感的に伝えられます。また、投稿が「バズる」ことで一気に認知が広がる可能性もあり、工夫次第で中小企業でも大きな注目を集めやすいのが特徴です。
関連記事:【企業向け】TikTokとは?使い方やビジネス活用方法・事例を解説
出典元:Facebook
Facebookはビジネス目的の利用者が多く、30代以上の求職者や社会人経験者にアプローチしやすいSNSです。会社の実績紹介やイベントレポート、社員インタビューなど、落ち着いた情報をしっかり届けたい場合に適しています。
また、長文投稿が可能なため、企業のビジョンや採用にかける想いなどを丁寧に伝えられます。既存の顧客や取引先との関係性の中で採用情報を広げられるのも、中小企業にとって有利なポイントです。
中小企業のSNS採用を成功させるポイント
従来の求人媒体と異なり、SNSを活用した人材採用は運用方法の工夫が必要です。中小企業でもSNSの採用活動を成功させるために、3つのポイントを解説します。
採用ターゲットを明確にする
SNS採用を成功させるためには、ターゲットを明確にすることが大切です。具体的には、採用ターゲットの年齢層、スキル、志向性など、理想の人材像を具体化することで、どのSNSを使うべきか、どのような投稿が効果的であるのかが可視化します。
ターゲットが定まっていないと、SNSの投稿内容に関心を持ってもらう可能性が低くなります。まずは自社が求める人物像をはっきりさせ、採用活動全体の方針を定めましょう。
魅力が伝わるコンテンツを発信する
ターゲットに関心を持ってもらうためには、企業の魅力や働く環境が自然に伝わるコンテンツづくりも重要です。オフィスや職場の雰囲気、働く社員の声、福利厚生、仕事のやりがいなど、リアルな情報を写真や動画で発信することで、応募前から会社への親近感を高められます。
また、一般的な求人媒体のような形式的な宣伝よりも、日常の風景や人柄が伝わる投稿の方が信頼感を生みやすく、ミスマッチの防止にもつながります。定期的にストーリーズやリールなどを活用し、企業の魅力を届けられるような工夫が必要です。
継続的に運用し改善を重ねる
SNS採用は一度投稿して終わりではなく、継続的な運用と改善が求められます。反応がよかった投稿の傾向を分析し、改善点を取り入れながら内容をブラッシュアップしていくことが重要です。
また、定期的に投稿スケジュールを見直したり、社員の声を取り入れたりすることで、ターゲットに魅力的な発信を続けられます。インプレッションやクリックといった数値解析やコメントへの返信など細かい改善を繰り返す姿勢が、中小企業のSNS採用成功に向けた近道です。
なお、株式会社ユナイテッドアニマルズが提供する「&WAKE」では、中小企業の採用活動向けにSNSアカウントの運用代行サービスを展開しています。
採用広報に特化したコンテンツの企画・発信はもちろん、インフルエンサーとの連携によって企業の認知度向上や採用ブランディングの強化をサポートします。SNSでの人材獲得を狙っている採用担当者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
中小企業でSNS採用を導入した事例
SNS採用は中小企業でも取り組みやすく、近年ではその活用事例も多く見られるようになってきました。
最後に、各SNSの活用方法や、どのようなコンテンツを発信しているのかについて、参考になる3つの企業事例をご紹介します。
大京警備保障株式会社
出典元:大京警備保障株式会社
大京警備保障株式会社は、東京都新宿区に本社を構える中小警備会社で、SNSを活用した採用戦略で注目を集めています。TikTokでは、社員の日常やユーモアを交えた動画を投稿し、2025年5月時点でフォロワー数が280万人を超える人気アカウントに成長しました。
この取り組みにより、従来の求人広告に頼らずとも若年層からの応募が増加し、採用難の打開に成功しています。また、YouTubeチャンネルも開設し、2022年12月には登録者数が100万人を突破するなど、SNSを通じた企業ブランディングと採用活動を積極的に展開しています。
株式会社これから

出典元:株式会社これから
株式会社これからは、ECサイト支援を主軸とするマーケティング会社で、SNSを積極的に活用した採用戦略を展開している中小企業です。InstagramやTikTokなどの動画SNSを通じて、会社の雰囲気や社員の人柄を可視化し、Z世代を中心とした若年層との接点を築いています。
また、SNS上では、単なる求人情報にとどまらず、働くリアルを伝えるコンテンツを発信することで、共感や親近感を与え、応募しやすい環境を整えています。さらに、自社採用ページとSNSを連動させることで応募数を増やす工夫も行っており、コストを抑えながら人材獲得を行っているモデルケースです。
株式会社Enjin
出典元:株式会社Enjin
株式会社Enjinは、SNSを活用した採用戦略に積極的に取り組んでいるブランディングを専門とする企業です。Instagramでは、社員の日常や社内イベントの様子を発信し、企業の雰囲気を視覚的に伝えています。また、福利厚生の一環として設置されたカフェスペース「OHANAキッチン」など、働きやすさを発信しているのも特徴です。
さらに、YouTubeチャンネル「Enjin公式Channel」は、社員インタビューやオフィス紹介などの動画コンテンツも充実させています。求職者に対してリアルな職場環境や社風を伝え、応募意欲を高めるのに成功した事例です。
まとめ
中小企業がSNSを活用して採用活動を行うには、戦略的な運用が重要です。しかし、自社でのコンテンツ制作や継続的な発信に課題を感じている企業も多いのではないでしょうか。株式会社ユナイテッドアニマルズが提供する「&WAKE」では、採用に特化したSNS運用代行サービスを提供しており、インフルエンサーとの連携による認知向上やブランディングの強化も可能です。SNS採用を成功させたい中小企業担当者の方は、ぜひお問い合わせください。
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また所属インフルエンサーによるプライベートブランドの開発、クライアント企業とのタイアップ商品開発、販売も行っています。
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