2025.04.28
SNSマーケティング
ホテル・旅館のSNSマーケティングを解説!メリットや実施方法、成功事例

近年、ホテル・旅館業界におけるSNSマーケティングの重要性が高まっています。InstagramやX、TikTokをうまく活用すれば、宿泊施設の魅力を発信し、認知度向上や予約増加につなげることが可能です。
しかし、ただ投稿を続けるだけでは十分な成果は得られません。ターゲット層の設定やコンテンツの工夫、キャンペーンの活用など、戦略的な運用が不可欠です。
本記事では、ホテル・旅館向けのSNSマーケティングの具体的な実施方法や効果的な運用ポイントを解説します。成功事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ホテル・旅館にSNSマーケティングが必要な理由

まず、ホテル・旅館にSNSマーケティングが必要な理由について解説します。
SNSの普及と消費者行動の変化
SNSの普及により、消費者の情報収集の方法が大きく変化しました。かつては旅行先や宿泊施設を決める際、主に旅行代理店や広告を頼りにしていたものの、現在ではSNSがその中心的な役割を果たしています。
InstagramやTikTok、Xを始めとしたSNSでは、旅行者が実際に訪れた場所や宿泊した施設についてのリアルタイムでの投稿が頻繁に行われ、それが他の消費者の意思決定に大きな影響を与えています。
このような背景から、ホテルや旅館もSNSを活用し、消費者に直接魅力を伝える重要性が増しているのです。
ホテル・旅館とSNSの高い親和性
ホテルや旅館は、美しい景観や料理、客室、温泉といった視覚的に魅力的な要素を多く持っているため、SNSとの親和性が非常に高い業種です。
特に、InstagramやTikTokなどのビジュアル中心のプラットフォームでは、写真や動画によって施設の魅力を直感的に伝えられ、ユーザーの「行ってみたい」という気持ちを引き出しやすくなります。
また、宿泊者自身が体験を投稿することで自然な形で宣伝効果が生まれ、認知拡大につながります。
口コミ・ユーザーレビューの影響力拡大
SNSの普及にともない、一般ユーザーによる口コミやレビューの影響力は年々高まっています。
特に旅行や宿泊は、実際に宿泊した人の体験談や写真付きの投稿が高い信頼を得ており、宿選びの際の情報源として多くの人に活用されています。こうした口コミやレビューは、フォロワーや検索ユーザーに広がることで施設の認知度向上や集客にも効果的です。
さらに、良い評価が積み重なれば、施設のブランドイメージの向上にもつながります。こうした背景から、ホテル・旅館にとってSNSマーケティングの重要性はますます高まっています。
ホテル・旅館がSNSマーケティングを実施するメリット

ホテル・旅館がSNSマーケティングを実施することで得られる3つのメリットを紹介します。
信頼感の向上
SNSを通じて施設の様子やスタッフの対応、利用者の声などを継続的に発信することで、ホテル・旅館に対する信頼感を高められます。リアルタイムな情報発信や、ユーザーからのコメントへの丁寧な返信は、「顔の見える運営」としての安心感を与え、初めて訪れる顧客にも好印象を与えます。
また、日常の裏側や季節ごとのイベントなどを発信することで親しみが増し、顧客との距離を縮めるのにも効果的です。顧客エンゲージメントの向上につながるだけでなく、口コミによる新規顧客の獲得にも大きく貢献します。
予約増加が見込める
SNSを活用してマーケティングを行うことで、ホテル・旅館の認知度が高まり、予約数の増加が期待できます。
たとえば、施設の魅力が伝わる写真や動画を投稿し、「ここに泊まってみたい」と思わせるきっかけを作れます。予約サイトや自社サイトへのリンクを投稿に載せておけば、そのまま予約へとスムーズに誘導することも可能です。
広告費をかけずに認知拡大できる
SNSは無料で始められ、手軽に情報発信ができるため、広告費をかけずに施設の知名度を高められる点が大きな魅力です。
投稿内容が多くの人に共感されれば、フォロワーによる「いいね」や「シェア」で自然と拡散され、予想以上の反響を得ることもあります。また、宿泊客の体験を紹介する投稿が広がることで、広告とは異なる信頼感のある情報として宣伝効果を発揮します。
限られた予算の中で集客力を高めたいホテル・旅館にとって、SNSは費用対効果の高い手段です。
ホテル・旅館のSNSマーケティングを進める6ステップ

ホテル・旅館が実際にSNSマーケティングに取り組む際の進め方を、6つのステップで紹介します。
1.目標を明確にする
SNSマーケティングを成功させるためには、まず「何のためにSNSを運用するのか」という目的を明確にすることが重要です。たとえば、「認知度を高めたい」「予約数を増やしたい」「リピーターを増やしたい」など、目的によって投稿内容や運用方針は大きく変わってきます。
また、具体的な数値目標(KPI)を設定することで、成果を定量的に把握しやすくなり、改善点も見つけやすくなります。曖昧な目標のまま始めてしまうと、方向性がブレやすく、効果的な運用が難しくなるため、まずはゴールを具体的に設定することから始めましょう。
2.ターゲットを選定する
SNSマーケティングを成功させるには、まず「誰に届けたいのか」「どのような層に来てほしいのか」を明確にすることが重要です。ファミリー層やカップル、インバウンド客、ビジネス利用者など、ターゲットによって興味を持つ情報や響く言葉、適切な投稿時間帯は異なります。
たとえば、「非日常の体験を求める20代女性」と「癒しを求める50代男性」では、訴求ポイントが大きく変わります。ターゲット像を具体化することで、SNSの運用方針や発信するコンテンツの方向性が定まり、より効果的な訴求が可能です。
ターゲットを選定して、誰に届けたいのかをしっかり考えましょう。
3.戦略を策定する
明確な目標とターゲットが定まったら、それにもとづいたSNS戦略を策定しましょう。投稿の頻度やタイミング、どのようなコンテンツを発信するかなどを具体的に計画することが重要です。
また、季節ごとのイベントやキャンペーン、周辺観光との連携なども戦略に組み込むことで、発信の幅が広がります。自社ならではの強みや個性を活かした投稿を行うことで、他施設との差別化にもつながります。インバウンド需要を見込んだ、グローバルな情報発信が効果的な場合もあるでしょう。
思いつきの投稿ではなく、継続性と一貫性を持った運用を実現するためにも、戦略的な計画は欠かせません。
4.SNSを選定する
次に、ターゲット層に最適なSNSプラットフォームを選びましょう。
ホテル・旅客のSNS運用において、ビジュアル重視のInstagramやTikTokは、施設の魅力を写真や動画で直感的に伝えるのに最適です。一方、ビジネス層や地域密着型の顧客をターゲットにするなら、FacebookやXの方が効果的な場合があります。
各SNSの特徴を理解し、どのプラットフォームが自社の目的やターゲットに最も合うかを見極めましょう。また、複数のSNSを使い分け、それぞれの特性に合ったコンテンツを発信することで、より高い効果が期待できます。
5.フォロワーを増やす施策を実施する
フォロワーを増やすには、ターゲット層に響く魅力的なコンテンツを定期的に発信することが特に大切です。具体的には以下のような施策があります。
- 宿泊や食事券が当たるSNSキャンペーン
→来館・宿泊につながるプレゼント企画は、集客効果が高く効果的。認知拡大にもつながる - UGC(ユーザー投稿)を促すフォトキャンペーン
→宿泊時の写真をオリジナルハッシュタグ付きで投稿してもらい、認知度と信頼感の向上を狙う - インフルエンサーとのタイアップ投稿
→実際に宿泊した体験を紹介してもらうことで、信頼性の高いPRが可能 - フォロワーとのコミュニケーションを強化
→コメントやいいね、質問投稿などを通じて信頼関係を築き、ファン(リピーター)化を目指す - 観光情報を含む幅広い情報発信
→施設だけでなく周辺の観光スポットや地域の魅力も発信し、遠方の観光客にもアプローチ - インバウンドを意識したグローバルな発信
→外国語キャプションや多言語ハッシュタグ、ショート動画を活用し、海外ユーザーへのリーチを拡大
コンスタントにエンゲージメントを高め、ユーザーにとって価値のある情報を提供し続けることが重要です。
6.予約促進施策を実施する
最後に、フォロワーに向けて予約を後押しする施策を行うことが大切です。
たとえば、SNSで限定キャンペーンや特別なプロモーションを発信することで、予約へとつなげやすくなります。また、観光地や宿での体験を紹介してくれる「アンバサダー」を募集する企画も効果的です。質の高いユーザー投稿(UGC)を生み出し、多くの人に情報が届く可能性が高まり、最終的には予約増加にもつながります。
さらに、実際に宿泊したお客様の体験談やレビューをSNSで紹介することで、施設への信頼感が高まり、予約を後押しする効果が期待できます。
ホテル・旅館がSNSマーケティングで成果を出すポイント

ホテル・旅館がSNSマーケティングを通して、成果を出すためのポイントを紹介します。
魅力が伝わる写真・動画を投稿する
ホテル・旅館の魅力が伝わる投稿を心がけましょう。館内の雰囲気や景観、料理、イベントなどを美しく撮影することで、言葉以上に強い印象を与えられます。
特に動画は、スタッフの接客対応や周辺観光の様子をリアルに伝えられるため、施設の魅力をより深く感じてもらう手段として有効です。季節ごとの装飾や限定イベントの紹介も、ユーザーの「今、行ってみたい」という気持ちを引き出すのに効果的です。
一方、暗い・ぼやけている・雑な編集といった質の低い画像や動画は、ユーザーの期待を損ねてしまう恐れがあります。丁寧な撮影と編集を心がけ、投稿全体の統一感にも配慮することで、ブランドイメージの向上にもつながります。
ユーザーとコミュニケーションを取る
SNSでは、ユーザーとの積極的なコミュニケーションが欠かせません。フォロワーからのコメントやメッセージに対して迅速で丁寧な返信を行うことで、ブランドへの信頼感を高め、親近感を生み出します。
さらに、ユーザーが投稿した写真やレビューをシェアすることで、SNS上でのエンゲージメントをより高められます。また、Q&A形式で施設に関する質問を受け付けたり、利用者が気になるポイントに対して積極的に情報を提供する方法も効果的です。
キャンペーンを実施する
SNSを活用したマーケティングでは、参加型キャンペーンが効果的です。フォロワーを巻き込むことで、エンゲージメントが高まり、認知度も急速に広がります。
たとえば、「フォロー&リツイートキャンペーン」や「写真コンテスト」のように、宿泊券や食事券を賞品に設定することで、フォロワーの関心を引き、参加を促すことが可能です。ユーザーが自分の体験をシェアすることで、さらに多くの人にブランドを知ってもらえる可能性も高まります。
また、SNS限定の特典を設けることも効果的です。「Instagram予約で○○円OFF」や「フォロー&いいねで宿泊特典」などのキャンペーンは、予約数だけでなく、フォロワーを増やすための施策としても有用です。
インバウンドを意識した発信をする
年々増加するインバウンド需要に対応するための情報発信は、ホテル・旅館のSNSマーケティングで重要です。
多言語での発信や、外国語のキャプション・ハッシュタグを活用し、映像やショート動画を使って視覚的にわかりやすく伝える方法が効果的です。英語や中国語、韓国語などの主要な言語で、観光地としての魅力や施設の特徴を海外ユーザーに向けて発信しましょう。
さらに、地元の食文化や、その地域ならではのユニークな体験プログラムを紹介することで、海外からの旅行者の関心を惹きつけることができます。海外ユーザーが見やすい工夫をすることで、安心感を与え、宿泊を検討しやすくなります。
インフルエンサーを起用する
SNSを活用したマーケティングでは、インフルエンサーを起用することもおすすめです。旅行やライフスタイルに特化したインフルエンサーは、ホテルや旅館の魅力がよりリアルに伝わります。また、信頼されている人物からの口コミとして広がるため、予約促進にも効果的です。さらに、プロモーションコードや特典を提供することで、インフルエンサーのフォロワーが実際に予約する可能性が高まります。
ただし、誰に依頼しても良いわけではありません。重要なのは、「インフルエンサーのフォロワー層がホテルのターゲット層と一致していること」と「エンゲージメントが高いこと」です。適切なインフルエンサーを起用することで、ブランドの認知度を効果的に高められます。
関連記事:インフルエンサーマーケティングで成果を出す秘訣や成功事例を解説
【ホテル・旅館】SNSマーケティングの成功事例5選

最後に、ホテル・旅館のSNSマーケティング戦略で参考になる、成功事例を5選ご紹介します。
椿山荘東京
ホテル椿山荘東京では、Instagramを活用して四季折々の美しい庭園の景色やホテルのイベント、ブライダル情報を発信しています。特に庭園の美しさを紹介する投稿が人気で、ユーザーから多くの反応があり、エンゲージメントを高めています。
また、Instagramでは、ハッシュタグやメンションを活用し、UGCを促進する工夫がされている点も特徴です。
さらに、インバウンドを意識し、英語の投稿やハッシュタグを活用して日本文化を発信している点も参考になります。
スーパーホテル
スーパーホテルの公式Xでは、新しい店舗の紹介やユーザーの口コミをリツイートするなど、リアルタイムでの情報発信を行っています。
拡散力が高いXを活用し、旬な話題を取り上げることで、より多くのユーザーに情報が届くよう工夫しているのが特徴です。タイムリーで季節感を意識した投稿が、継続的なコンテンツ発信に役立っています。
SNS運用ではユニークな切り口を取り入れ、投稿のネタ切れを防ぐ工夫がされています。特に「今日は何の日?」というテーマを使って、その日のトピックに関連する情報を紹介しているのもポイントです。同ホテルを利用したユーザーの投稿を積極的にリポストしているのも参考になります。
鳥羽ビューホテル花真珠
鳥羽ビューホテル花真珠は、TikTokを効果的に活用しています。特に、ホテルのスタッフが踊る動画を投稿することで、フォロワーの増加を達成しました。スタッフが登場するダンス動画や自己紹介動画など、親しみやすさを感じさせる投稿が特徴です。
TikTokは特に10代〜20代の若い世代に人気があり、ノリの良さを前面に出すことで、ホテル体験の魅力をアピールできます。また、丁寧なコメント返しや、ホテルに対するポジティブな印象を与える動画を投稿し、ホテルのイメージアップにも成功しています。
さらに、TikTokの若年層ユーザーをターゲットに、館内に動画撮影用のパネルを設置し、ユーザー自身の動画投稿を促進。これにより、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を活用してさらに集客を促しました。
はんなりおやど 龍泉閣
参考:Instagram はんなりおやど 龍泉閣 アカウント
はんなりおやど 龍泉閣は、大分県九重町の宝泉寺温泉郷にある温泉宿です。Instagramでは、利用客が登場する写真を積極的に投稿し、施設の親しみやすい雰囲気を伝えています。
特に「バイク宿」としての特徴を活かし、バイクやヘルメットを使った写真が多く投稿されているのが特徴です。こうした投稿は施設の個性を伝え、バイク好きの客層にアピールしています。
また、利用客へのメンションや、多言語での投稿なども参考にできます。
横浜ベイホテル東急
参考:Instagram 横浜ベイホテル東急 公式アカウント
横浜ベイホテル東急は、横浜の美しい夜景とオーシャンビューを楽しめる5つ星ホテルで、SNSをうまく活用して集客に成功しています。特にInstagramとXで同時開催したSNSキャンペーンが注目ポイントです。
たとえば、春の「#ベイ東急de春さんぽ」キャンペーンでは、桜や春をテーマにホテル内で撮影した写真を投稿すると、抽選で食事券が当たる仕組みで、レストランの集客にもつながりました。
さらに、Instagramのフォロワー向けに「春のキャンペーン」を実施。キャンペーンでは、電話予約時に「Instagramを見た」と伝えると、特定のコースが10%オフ+1ドリンクのサービスが受けられます。アカウントの注目度を高めつつ、集客につなげている成功事例です。
まとめ

本記事では、ホテル・旅館向けのSNSマーケティングの具体的な実施方法や効果的な運用ポイントを解説しました。
SNSマーケティングは、ホテル・旅館にとって集客力を高めるために欠かせない取り組みです。ターゲットに合った投稿やユーザーとの対話、インフルエンサーとの連携などを組み合わせることで、認知拡大や予約促進が可能になります。
また、SNSは従来のマーケティング手法と比較して、広告費を抑えつつ広範囲に情報を拡散できるため、コストパフォーマンスが高いのも魅力です。
ユナイテッドアニマルズでは、SNSの運用代行サービス「&WAKE」を提供しています。SNSマーケティングの戦略立案から運用代行までを一貫してサポートしていますので、「SNS運用のやり方がわからない」「運用したものの成果が出ない」などのお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。
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