2023.10.23
インフルエンサーマーケティング
【プロが解説】ギフティングとは?メリット・デメリットを徹底解説
インスタなどのSNSで、インフルエンサーを起用しPRを行うマーケティング施策「ギフティング」は、高い効果が期待できます。
しかし、正しいやり方や効果的な実行方法を知らずに始めてしまうと、思わぬ失敗につながる可能性もあります。
本記事は、ギフティング施策について解説し、メリット・デメリットを詳しく説明します。インスタを利用したギフティングを検討中の方や、効果をさらに高めたい方は、ぜひご覧ください。
目次
インスタで行うギフティングとは
インフルエンサーへ自社の商品やサービスを提供し、実際に体験した上で商品を宣伝してもらうPR施策を「ギフティング(ギフティングプロモーション)」と呼びます。
通常の広告と比べて共感性が高く、より多くの関心を集めることが期待できます。
インスタには、通常投稿、リール、ストーリーズ、インスタライブ(配信)といった発信方法があります。写真や動画を利用して、より分かりやすく商品をPRしてもらうことが可能です。
ギフティングは「無償ギフティング」と「有償ギフティング」の2つに分けられる
ギフティング施策は、無償・有償の2種類に分けられます。それぞれにメリット・デメリットがあるので、目的に合わせて使い分けることをおすすめします。
無償ギフティングのメリット
インフルエンサー(インスタグラマー)への報酬が発生しない「無償ギフティング」にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
- 低コストでできる
- より消費者目線の投稿につながる
それぞれ解説します。
広告費用を抑えられる
企業が負担するコストは「商品代」と「送料」のみです。
報酬の支払いがないため、プロモーションにかかる費用を抑えられます。
リアルな感想を届けられる
無償ギフティングの場合、企業から投稿の内容を指定することはできません。
インフルエンサーが実際に商品を試し、感じたことをリアルに投稿するため、消費者目線の口コミに近い形で宣伝できます。
無償ギフティングのデメリット
「無償」ならではのデメリットもいくつかあります。
- 依頼を引き受けてもらえない可能性が高い
- 理想的なPRができない
など、デメリットを把握しておきましょう。
インフルエンサーの承諾率が低い
報酬がないことから、承諾率が低い傾向にあります。また、話題のインフルエンサーやフォロワー数の多いインスタグラマーは、普段から多くの依頼が殺到しており、無償では引き受けないという人も一定数います。
良い投稿になるとは限らない
メリットで述べた「企業から投稿の内容は指定できない」という点が、場合によってデメリットとなることです。消費者目線のリアルな感想は、企業が求めているものと異なる可能性があります。
投稿が確約されない
商品を提供したものの、なかなか投稿が行われない、連絡が取れなくなるといったケースも少なくありません。とはいえ、投稿の強制はネガティブな印象を与えかねませんので、控えておきたいところです。
有償ギフティングのメリット
続いて「PR案件」とも呼ばれている「有償ギフティング」のメリットを紹介します。無償ギフティングとは反対に、インフルエンサーへ報酬を支払う方法です。
投稿の内容を指定できる
有償ギフティングでは、企業の希望を取り入れた形での発信が可能です。必ず入れてほしい単語や表現方法を細かく指定できます。また、インフルエンサーが投稿する前の確認も可能で、ネガティブな表現など気になる箇所の修正ができるのもメリットのひとつです。
インフルエンサーの拡散力が期待できる
報酬があることから、話題のインフルエンサーが依頼を受けてくれる可能性が高いのが有償ギフティングです。拡散力のあるインフルエンサー・影響力の強いインフルエンサーに依頼することで高い効果が期待できます。
また、フォロワー数が多いほど、二次拡散の可能性も高まる傾向にあります。
有償ギフティングのデメリット
有償ギフティングで考えられるデメリットは、どのようなものがあるのでしょうか。
インフルエンサーの起用にコストがかかる
有償ギフティングは、人気のインフルエンサーを起用しやすいです。しかし、報酬の支払いがあるため、必然的にコストは高くなります。
報酬額の決め方は「フォロワー数×フォロワー1人あたりの単価」で計算する方法が一般的です。フォロワー数の多いインフルエンサーになればなるほど、報酬も高くなります。
投稿するまでに時間が必要
投稿内容の指定ができる有償ギフティングでは、無償ギフティングと比べてインフルエンサー選定後のやりとりが多くなります。
- 訴求ポイントを説明
- 実際に投稿を作成してもらう
- 内容に問題がないか確認
返信に時間がかかるインフルエンサーもいるため、実施する際はスケジュールに余裕を持たせることがおすすめです。
ギフティングの効果
ギフティングは、一般的な広告とは違った効果が期待できるPR施策です。有償・無償問わず、考えられる効果は以下の3つとなります。
- ターゲット層の絞り込みが可能
- 広告感、押し売り感を減らせる
- 拡散力に期待できる
それぞれ、詳しく説明していきます。
ターゲットを絞り込める
PRしたい商品に適したインフルエンサーを起用することで、特定のターゲット層へ効果的なアプローチができます。
【例】
・若年層向けのコスメなら、その年代から人気の美容系インフルエンサーを選定
・赤ちゃん用品なら、実際に育児中のインフルエンサーから選定 など
広告感が薄く、押し売り感のない宣伝ができる
「ステマ」「PR」といった用語が飛び交う現代では、広告にマイナスイメージを持つ人が多くなりました。その一方で、ギフティングは多くの人から共感・関心を集めることができます。
興味のあるアカウントからのPR投稿は、広告と比べて身近に感じられ、自然で押し売り感のない宣伝になりやすいです。また、「普段から応援しているインフルエンサーが使っているのであれば自分も試してみたい」といったように影響を受けやすい傾向もあります。
高い拡散効果
インフルエンサーが発信した投稿を、ユーザーが「ストーリーズでシェア」する二次拡散など、広告感の薄い施策は拡散効果も期待できます。
消費者目線で商品を試した感想は、自社で行う宣伝よりも共感されやすく、訴求効果が高いと言われています。
インスタでギフティング施策を始めるには
実際にインスタでギフティング施策を始めるには、どのような流れになるのか具体的に解説します。
①目的を決める
まずは、しっかりと目的を決めましょう。
- 幅広いユーザーからの認知度を上げたい
→フォロワー数の増加、ユーザーのリアクション増加を狙う - 新作商品の売り上げを伸ばしたい
→ギフティング後の売り上げアップを狙う
など、目的によって効果も異なるため、目的を細かく決めておくことは重要です。
②インフルエンサーを探す
目的が決まったら、実際に依頼したいインフルエンサーを選定します。
- 普段の投稿
- 主な活動ジャンル
- フォロワー数
- フォロワーの年齢層や性別
上記の項目を確認し、商品のターゲット層に合った人を選定してください。引き受けてもらえない場合も想定して、リストアップする人数は多いほうが安心です。
③インフルエンサーへの連絡
続いて、インスタグラムのDM(ダイレクトメッセージ)を使い、ギフティング依頼のメッセージを送信します。プロフィール欄にお仕事用のメールアドレスなどが記載されている場合は、その連絡先へメッセージを送りましょう。
以下を記載すると、依頼内容が細かく伝わり、インフルエンサーも検討しやすくなります。
- あいさつ&自社の紹介
- ギフティング依頼の旨
- 商品の紹介
- 選定に至った理由
- 報酬(有償ギフティングの場合)
- 投稿してほしい内容のイメージ
その他、希望ハッシュタグや投稿期限がある場合も、同じようにまとめてください。
簡潔で読みやすいメッセージは承認率アップにつながります。
④商品の発送
引き受けてくれたインフルエンサーへ商品を送ります。
丁寧な梱包を心がけましょう。
また、住所など個人情報の管理には十分に注意してください。
⑤投稿を確認する
商品を使用した後、インスタでレビューを投稿してもらいます。
投稿には、ステマ(ステルスマーケティング)と認識されないよう「#sponsored」「#提供」「#pr」など、ユーザーが宣伝だと判断できるハッシュタグを必ず付けるようにお願いしてください。
※有償の場合は、インフルエンサーが作成した内容を事前にチェックできます。自社の希望が含まれているか確認し、必要があれば修正を依頼しましょう。
⑥施策の効果測定
投稿完了後は、ギフティングの前後でどのような変化があったのかを確認するため、効果測定を行います。
下記の項目を見て、目的が達成できているか確認しましょう。
- インプレッション数
- エンゲージメント数
- 商品ページへのアクセス数
- 商品の売り上げ増加率
- フォロワー数
- ユーザーからのコメント
目的達成の確認だけでなく、その他の効果を分析していくこともおすすめします。
ギフティング成功のポイント
ギフティング施策を成功させるためには、商材に合うインフルエンサーを選定することや、投稿時にハッシュタグを付けてもらうことが大切です。
2つのポイントを、それぞれ解説します。
商材に合ったインフルエンサーを選ぶ
どのような商品をPRしたいかによって選定基準も変わります。
フォロワー数はもちろん重要ですが、自社のターゲット層にマッチしているのかも忘れずに確認しておきましょう。
インフルエンサーの得意分野、フォロワーの年齢層、過去のPR投稿があればチェックし、商材にあったインフルエンサーを選定してください。
ハッシュタグの指定
ハッシュタグを付けることでユーザーの検索にヒットし、より多くのユーザーから投稿を見つけてもらえます。検索からの流入増加を狙うには、関連性の高いハッシュタグを指定すると効果的です。
投稿内容を細かく指示できない「無償ギフティング」の場合、ハッシュタグだけでも希望を伝えてみると良いでしょう。
商品名(またはブランド名)のほか、商品ジャンルに合ったハッシュタグをいくつか指定することで拡散性が高まります。
ギフティングを実施する際に注意すべきこと
続いて、注意すべき点を解説します。
消費者からのマイナスイメージや、違反行為に該当しないよう、以下の内容を意識しておくと安心です。
ステマと認識されないようにする
ユーザーに広告宣伝であることを隠し、商品やサービスのPR活動を行うと、ステマ(ステルスマーケティング)に該当してしまいます。
2023年10月より、ステマに関する法規制が日本でも導入されました。違反が発覚すると、消費者の信頼が低下するだけでなく措置命令の対象にもなるため、大きな損失に繋がります。
「ギフティングを実施する方法」でも述べたように、インフルエンサーの投稿には「#sponsored」「#提供」「#pr」「#タイアップ」など、ギフティングと分かるハッシュタグを付けてもらうと安心です。
投稿内容を指示しすぎない
企業からの指示が多いと、広告感が強くなり、ユーザーが押し売りされているように受け取る可能性があります。インフルエンサーによる消費者目線でのレビューが売りのギフティングでは、細かすぎる指示は避けておきましょう。
景品表示法・薬機法を確認
ステマだけでなく、投稿内容がその他の景品表示法や薬機法に違反していないかの確認も必要です。
【景品表示法】
ギフティングでは、企業が大きく指示を出している投稿の場合、景品表示法の「表示」に該当すると考えられます。商品やサービスに関する内容、価格などに対する不当表示は違反対象です。
【薬機法】
薬機法(医薬品医療機器等法)の対象となる製品は、以下の通りです。
- 医薬品
- 医薬部外品
- 化粧品
- 医療機器
- 再生医療等製品
薬機法の対象となる製品をギフティングする際は、誇大な表現には気を付けましょう。スキンケア用品やコスメのPRで「毛穴が消えた」「シミがなくなった」のような言い回しは、違反対象になると考えられます。
景品表示法の「表示」、薬機法の「広告」に当たらないよう、くれぐれも注意してください。
まとめ:インフルエンサー選びに困ったら、インスタ運用業者に依頼するのもおすすめ
インスタのギフティング施策では、インフルエンサーの選定が特に重要です。
インフルエンサーの調査・選定・依頼まで自社で行うには、人員も時間も必要となり、ハードルが高いかもしれません。
- インフルエンサーマーケティングの経験がない
- 自社で行ったギフティング施策では効果が得られなかった
このような場合、インスタ運用代行業者へ依頼するのもひとつの方法です。インフルエンサーの選定はもちろん、交渉や商品発送、ステマ対策、効果測定やフィードバックなど、インフルエンサーマーケティングに関わる作業を代行してくれます。
プロのSNS運用代行業者へ相談し、ギフティング施策を成功させましょう。
SNS運用代行・マーケティング支援なら
ユナイテッドアニマルズへ
ユナイテッドアニマルズでは、インフルエンサーのマネジメント・プロデュース・育成およびクライアント企業のマーケティング戦略立案・広告・宣伝支援を行っています。
また所属インフルエンサーによるプライベートブランドの開発、クライアント企業とのタイアップ商品開発、販売も行っています。
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