2024.03.22
SNSマーケティング
VTuberマーケティングのメリットと成功事例、始め方のポイントを解説
近年、注目を集めているVTuberマーケティング。若年層やZ世代へのアプローチやSNSでの話題性創出などのメリットがあり、企業の認知度や売上向上への貢献が期待されています。
しかし、VTuberマーケティングを取り入れたくても、「VTuberのやり方が分からない」「VTuberを活用する際の注意点を知りたい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、VTuberマーケティングの具体的なメリットや成功事例を紹介するとともに、始め方、成功するための注意点を詳しく解説します。
VTuberマーケティングを理解し、活用することで、自社のサービスや商品の認知度や売上向上を図りましょう。
目次
VTuber(バーチャルユーチューバー)とは
VTuberとは、Virtual YouTuber(バーチャルユーチューバー)の略で、アバターや3Dキャラクターを用いて、動画配信やライブ配信を行う配信者のことです。
主にYouTubeや各種ライブ配信プラットフォームを通じて視聴者と交流します。素顔の公開を必要としないため、配信者は匿名性を保ちつつも、視聴者にはアニメキャラクターのような親近感を与えることができます。
VTuberの市場規模
出典元:【日本経済新聞】矢野経済研究所-VTuber市場に関する調査結果を発表
矢野経済研究所が2023年に実施した調査によると、VTuber市場は前年度比153.8%増の800億円という成長を遂げており、同人誌やトレーディングカードゲームといった既存のサブカルチャー市場と肩を並べる規模にまで拡大しています。
上記データの市場の成長から、VTuberを活用したマーケティングは、プロモーションにおいて有効であると言えます。VTuber市場の動向を把握し、戦略に取り入れることは、企業の新たなマーケティング手法として重要です。
VTuberマーケティングのメリット
VTuberマーケティングには、以下の3つメリットがあります。
- 若年層・Z世代にアプローチしやすい
- SNSで話題になりやすい
- 配信がアーカイブに残るため、資産性が高い
それぞれについて、詳しく解説します。
若年層・Z世代にアプローチしやすい
若年層やZ世代にアプローチしたい企業にとって、VTuberマーケティングは有効な戦略です。
VTuberの主要ファン層は若年層、特にZ世代に注目されており、推し文化が深く根付いています。VTuberを介して商品やサービスへの強い関心を持ちやすい傾向があります。
従来の広告ではリーチできなかった世代に直接アプローチできるため、企業にとって大きなチャンスです。
関連記事:Z世代の消費行動の傾向とは?効果的なマーケティング手法や成功事例を紹介
SNSで話題になりやすい
VTuberマーケティングは、話題性と拡散性を生みやすく、情報収集のメインをSNSとする現代の消費者に関心を引きつけやすい手法です。SNSマーケティングを相互に強化することで、好循環を生み出すことができます。
VTuberのコンテンツは、視聴者の共感や興味を引き出し、SNSで共有される可能性が高くなります。10代後半から30代前半の「SNSネイティブ」層は、新鮮で魅力的なコンテンツに積極的に反応し、自発的に情報を共有する傾向があります。
VTuberとSNSマーケティングの組み合わせは、SNSネイティブ層に特化したマーケティング戦略として、非常に効果的な手法です。
配信がアーカイブに残るため、資産性が高い
VTuberマーケティングの強みは、配信がアーカイブとして残り、長期的な資産になる点です。
従来の広告とは異なり、一度配信したコンテンツは残り、繰り返し視聴される可能性があります。
また、ファンによる切り抜き動画は、VTuberの魅力を凝縮した新たなコンテンツとして、新たな視聴者を獲得する可能性が高いです。ファンコミュニティの活性化にもつながることも強みといえるでしょう。
VTuberマーケティングのデメリット
VTtuberマーケティングにはメリットがある一方で、以下のデメリットもあります。
- 初期費用が高くなる可能性がある
- VTuberのマネジメントができないと効果が下がる
- 企業の評判がVTuberのイメージに影響されやすい
それぞれのデメリットと対策について把握しましょう。
導入コストが高額になる場合がある
VTuberマーケティングは、キャラクターデザイン、配信機材、声優などの導入コストが高額になる可能性があります。特に、自社マスコットをVTuber化する場合は、想定以上にコストがかかることもあるため注意が必要です。
導入コストを抑える方法としては、社内にデザインや動画編集のスキルを持つ社員がいる場合、外部委託費を削減できます。
ただし、長期的な視野でVTuber活動の投資対効果を見積もり、初期投資の妥当性を評価することが大切です。
VTuberのマネジメントができないと効果が下がる
VTuberに関するマネジメント不足により、コミュニティファンの期待に応えるコンテンツ作成が困難になり、マーケティング効果の低下を招く可能性があります。
VTuberとコミュニティの独特な文化や価値観に基づいたコンテンツ制作とコミュニケーション戦略を展開することが重要です。
ファンの好みや関心を調査・分析し、オリジナルコンテンツを提供することで、ファンの期待に応えられます。
また、ファンとの積極的な交流を通じて関係を築き、コミュニティを活性化しましょう。
企業の評判がVTuberのイメージに与える影響
VTuberの活動がアバターを介して行われる性質上、キャラクターの印象が直接企業のブランドイメージに影響を及ぼす可能性があります。
人気のVTuberは個性的なキャラクターが強いため、企業とのイメージギャップが大きくなると、以下の問題が発生しやすくなります。
- 企業イメージの悪化
- ターゲット層の誤認
- 商品・サービスとのミスマッチ
- 売上の減少
企業理念や商品・サービスとの親和性を重視し、ターゲット層に適切なVTuberを選ぶことが重要です。
VTuberマーケティングに向いている業界
VTuberマーケティングは、ゲーム、美容、食品、ガジェット業界に最適です。VTuberが製品やサービスの特徴や利用体験を紹介することで、ターゲットとする若年層の購買意欲を効果的に高めます。
VTuberのファンをベースとした情報拡散力は、若年層やZ世代へのアプローチと認知度向上に貢献します。
効果的な運用には、製品やサービスのイメージとVTuberのマッチングが重要です。ブランドイメージに合致するVTuberを選定することで、マーケティング効果を最大化できます。
VTuberマーケティングの成功事例
ここからは、企業におけるVTuberを活用したマーケティングの成功事例を紹介します。
企業がVTuberを活用することで、どのようにブランドの認知度を高め、製品やサービスの魅力を伝えられるのか、実際の成功事例を通して見ていきましょう。
VTuberでびでび・でびる × ボンバーマン
出典元:【#レバガチャ爆ヶ原】西軍でびでび・でびる!お前らは……堕ちる。
VTuberでびでび・でびるによる「スーパーボンバーマンRオンライン」プロモーションは、ゲーム業界におけるVTuberマーケティングの有効性を示す事例です。
2021年6月2日に行われたライブ配信では、チャンネル登録者数55.2万人を誇る、でびでび・でびるの影響力により約47,039回の視聴を記録しました。
成功事例から学ぶべき点は、VTuberの人気とファンとの直接的な交流を通じて、製品の認知度を効果的に高められるという点です。
VTuber3名(不破湊/叶/椎名唯華) × 女性向けのシャンプー「ululis(ウルリス)」
若年層女性向けシャンプー「ululis」は、VTuber事務所「にじさんじ」所属の不破湊、叶、椎名唯華とのコラボ企画を実施しました。3名のVTuberがそれぞれの個性でシャンプーの魅力をPRする動画を制作し、大きな反響を得ました。
最高同時接続数約1万8000人、X(Twitter)上で約1万7000件のUGCが生まれ、生配信からわずか10分で1200個の限定セットが完売するなど、顕著な成果を上げました。
サントリー公式VTuber 燦鳥ノム(さんとりのむ)
出典元:サントリー公式バーチャルYouTuber │ 燦鳥ノム特設ページ
サントリー公式VTuber「燦鳥ノム」は、製品の直接紹介を避け、一般的なVTuber活動に注力することで、ゲーム実況や歌ってみた動画を通じてサントリーの認知度向上を図っています。
主に10〜30代男性を中心に支持を得ており、サントリー製品の購入増加に貢献していることが明らかになりました。
従来のマーケティング効果測定には課題がありましたが、「GREEN x T-POINT」導入により、ファンの属性や購買実績分析が可能となり、効果測定の精度向上が実現しました。
燦鳥ノムの事例は、企業オリジナルVTuberが、直接的な商品プロモーションだけでなく、ブランド価値向上にも貢献できる戦略であることを示しています。
VTuberマーケティングの始め方
ここからは、企業がVTuberマーケティングを始める際のステップについて詳しく解説します。
手順を参考に、ぜひVTuberマーケティングを始めてみてください。
目的・目標とターゲットを定める
VTuberマーケティングを成功させるためには、まず具体的なマーケティング目的と目標を定めることが不可欠です。
認知度向上、購買促進、新規ターゲット層獲得、ブランドイメージ構築など、VTuberを活用する目的を明確にすることで、効果的な戦略を策定できます。
ターゲット層は目的によって異なるため、自社のサービスや製品を誰に、どのように伝えたいのかを事前に明確化することが大切です。
ターゲット層に合わせたVTuberの選定、コンテンツ制作、配信プラットフォーム選定などを行うことで、VTuberマーケティングの効果を最大限に引き出せます。
VTuberを選定する
VTuberを選定する場合、主に以下の3つの方法があります。
- キャスティング会社に依頼
- マッチングプラットフォームの利用
- 事務所経由で依頼
目的に合致したVTuberを見つけ、効果的なVTuberマーケティングを展開しましょう。
キャスティング会社に依頼
キャスティング会社は、企業のニーズや目的に最適なVTuberを紹介し、目標達成に向けた施策の提案から実施までをトータルでサポートします。
予算に応じたコンテンツの企画や炎上対策といったリスク管理までカバーするため、企業は安心してVTuberマーケティングに取り組むことが可能です。
キャスティング会社を通じて、理想的なVTuberとのマッチングを図ることで、効果的なプロモーションを展開することが期待できます。
マッチングプラットフォームの利用
企業がマッチングプラットフォームを利用することで、自身でVTuberを選定し、直接依頼や交渉を行うことが可能です。
キャスティング会社を介すよりも時間や手間がかかる可能性がありますが、自社の具体的な企画や目的に適したVTuberを、広範囲から探し出せます。
プラットフォームを利用することで、企業は希望する条件やプロジェクトに最適なVTuberを見つけやすくなります。
事務所経由で依頼
事務所経由で依頼する方法は、影響力の高いVTuberとのコラボレーションを求める企業にとって有効です。
人気事務所に所属するVTuberは大きなファンベースを持ち、その影響力を活用することで、企業のプロモーション効果を高めることに期待ができます。
事務所を通じた依頼のメリットは、仲介者を介さない分、迅速なコミュニケーションが可能となり、プロジェクトの進行をスムーズに行えることです。
ただし、VTuberの人気や事務所のポリシーにより、料金が高額になる可能性があるため、予算の確認と事前交渉が重要になります。
コンテンツを企画・制作する
VTuberマーケティングで成功するためには、ターゲットとなるペルソナを意識したコンテンツ企画・制作が不可欠です。
コンテンツは、ライブ配信、動画、キャンペーン、広告、イベント出演など、さまざまなプロモーション手法から最適なものを選択します。VTuberファンの関心に合ったコンテンツを制作することが重要です。
VTuberが持つコアなファンを活かし、視聴者参加型のイベントやライブ配信を通じて、ファンとのコミュニケーションを促進することで、商品やサービスへの興味や関心を生み出すことが可能になります。
プロモーションを展開する
VTuberのYouTubeチャンネルで制作したコンテンツを、より多くの人に届けるために、複数のSNSプラットフォームを活用しましょう。
Instagram、X(Twitter)など、複数のSNSプラットフォームを戦略的に活用することで、より多くの人に動画を届け、ブランド認知度を高めることが可能です。
また、自社でSNS運用に関するノウハウがない場合、SNS運用代行サービスを利用することで、専門家のノウハウを活用して効率的に拡散することができます。
効果検証と改善を行う
VTuberマーケティングで成果を最大限に引き出すためには、効果検証と改善を継続的に行うことが不可欠です。
実施したマーケティング活動の結果を定量的・定性的に分析し、初めに設定した目的との達成度合いを評価します。
次回のVTuberマーケティング戦略において、より効率的かつ効果的なアプローチを計画するための問題点や改善点を特定しましょう。
効果検証を適切に行うことで、マーケティングの成果を段階的に向上させることが可能です。
VTuberマーケティングを成功させるために必要なポイント
VTuberは、若年層やZ世代に効果的なマーケティングですが、 VTuberを活用するだけで単純に成功するというものではありません。
ここでは、VTuberマーケティングを成功させるために必要な3つのポイントを紹介します。
透明性・信頼性を必ず確保する
成功のポイントは、視聴者との信頼関係構築です。企業側が透明性を意識し、誠実なコミュニケーションを心がけることが重要になります。
透明性の欠如や不正確な情報提供は、すぐに信頼を損ない、ブランドイメージに大きなダメージを与えかねません。
したがって、VTuberを通じたマーケティング活動においては、透明性を保ち、信頼性の高い情報を提供することが重要です。
ステルスマーケティング対策
2023年10月1日から施行された消費者庁による法規制では、広告であるにも関わらず事実を隠すステルスマーケティング(ステマ)が厳しく規制されています。
VTuberを用いた商品やサービスのPR活動においては、コンテンツが広告であることを「PR」や「プロモーション」といった形で明示しなければなりません。
成功するためには、法規制を遵守し、視聴者に誤解を与えないことが重要です。
関連記事:ステマ規制とは?企業がSNS投稿をする際に気をつけるべきこと
実績があるSNS運用代行サービスの利用
VTuberマーケティングで成果を上げるには、SNS運用は欠かせません。 しかし、VTuberの特徴やターゲット層に合わせた戦略を構築し、日々の投稿を継続するのは、想像以上に多くの時間と労力を要します。
そこで、実績があるSNS運用代行サービスの利用がおすすめです。VTuberの特徴やターゲット層を分析し、ターゲットに効果的な投稿内容や投稿頻度を検討した上で、VTuberの魅力を最大限に引き出すコンテンツ制作と運用を代行してくれます。
関連記事:SNSマーケティング企業10社の特徴と選び方|費用相場・注意点も解説
VTuberマーケティングで自社サービスを宣伝してみよう
本記事では、VTuberマーケティングのメリット・デメリットや成功事例、始め方と成功するポイントなどについて詳しく紹介してきました。
自社のターゲット層に合わせたVTuberを選定し、適切なコンテンツを制作することで、認知度向上、顧客獲得、売上アップなど、さまざまな効果が期待できます。
VTuberマーケティングを検討している場合、マーケティング効果をより向上させるためにSNSを活用することがおすすめです。
VTuberマーケティングのように、SNSの活用がマストとなる若年層やZ世代では、SNS運用を得意とする代行会社の利用を検討しましょう。
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ユナイテッドアニマルズでは、インフルエンサーのマネジメント・プロデュース・育成およびクライアント企業のマーケティング戦略立案・広告・宣伝支援を行っています。
また所属インフルエンサーによるプライベートブランドの開発、クライアント企業とのタイアップ商品開発、販売も行っています。
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